自治体のツボ

地方分権ってどうでもいいことなんでしょうか

地方自治・地方行財政・地方創生…地方のあれこれを取り上げます

参院選の政党公約を読んでみた

さて、いよいよ日曜日は参院選である。なんだかものすごい関心の低さだ。投票率は相当低くなるという見方が出ている。大丈夫だろうか、日本。

さて、参院選は政党色が薄まった方がいい。そう書いたが、国政連動で各党が総力を入れている以上、主要政党の公約も無視できない。地方政策で何を書いているのか、特徴的なものを拾い出してみた。

みるとわかるとおり、ちょっとずつ異なる。これだけで政党を選ぶのも悪くないな、と思う。

個人的には①分権推進への決意はにじんでいるか、②地域に暮らす個人の活力を引き出そうとしているか、③地方行財政を改革しようという意欲はみえるか、④地方経済を底上げする具体策はあるか、の4点が点検項目だと思う。各項目25点満点で点数をつけてみると面白いかも。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【自民党】「最先端を行く元気な地方をつくる」という項目に書かれているのは、若者の雇用促進、農業振興、観光客誘致。これが3本柱だ。強い経済を作り上げるので、それによって所得は増えますよ、心配なきよう、ということだろう。110ページにも上る総合政策集は、政権を担当しているだけあっていまの政府の政策と連動した内容になっている。

【公明党】自民党、つまりは政府の政策と似ている。目をひいたのは「スマート自治体の推進」。クラウド化による経費節減、行政手続きのワンストップ化、オープンデータ化による新事業の創出などをうたっている。デジタル化社会の実現へ自治体も変貌せよということだろう。

【立憲民主党】政策集に「地方」というキーワードは見当たらない。「令和デモクラシー」を掲げているだけあって、住民投票による政治参加の機会を増やすというのが特徴的。全体的には個人の暮らしを豊かにし、LGBTなど多様性も尊重する。

【国民民主党】「新しい答え」という政策集で、「総務・地域主権」という項目を入れている。めざすのは総務省改革なのか? 地域主権改革が地方政策にあたり、「基礎的自治体の強化を図りつつ、道州制の実現をめざす」と明記している。「近接性の原理」を改めて強調したり、一括交付金の復活をうたったりしているので、最も地方分権色の強い政党といえるだろう。

【日本維新の会】「統治機構改革」を打ち出す。地方分権を推し進め、東京一極集中を是正するという。東京と大阪が「ツインエンジン」になるだそうだ。「住民が自ら住む街の形を自ら決める」。大阪都構想の肝になる考えを全国に広げていくとする。確かに全国に都構想の亜流ができるのではなく、「我々の地域はこういう統治の仕組みにする」と各地で検討が進めば、身の丈にあい、実情に即した地域ができるかもしれない。憲法改正時の道州制実現も盛る。

【共産党】地方自治という項目がある。安倍・自公政権は地方自治を壊していると説く。地方交付税の変質と削減に「反対」する。地方財政の削減と企業の儲け先づくりのために、行政サービスを切り捨てと公共施設の統廃合を迫っていると分析している。なるほど。すべての自治体が「住民福祉の機関」として運営できるように自主性と財源を補償すると明記している。

【社会民主党】地方自治の本旨を生かし、地方の財源と権限の委譲を進めるという。現在国税と地方税で6対4となっている比率は「5対5」にする。護憲・沖縄を旗印にする政党らしく、地方に影響ある施策の実施には「十分地方と協議する」との考えを盛り込んだ。
IMG_20180923_170622

テスラを公用車にする意味は?

「テスラを公用車にする意味は?」と問われたら、「ない」と答えるしかない。千葉県市川市が電気自動車のテスラを公用車にすることで、環境への取り組みをアピールするのだという。ほう。別に今までより格段に高いテスラでなくてもいいのではないか。リーフじゃだめ?

自腹で穴を埋めると市長はおっしゃる。ならいい、とはならない。税金を使うからこその公共団体である。しかも、任期はあれど、市長はいつ辞めるかわからない。行政は継続性がなにより大切である。任期付きで働く個人の私的財産で行政の政策が決まるのはとてもおかしい。

じゃ、市民のためになるのならいいのではないか。市長は公用で使っていないときは市民が乗ってもいいという。それもおかしい。公用車というのは公務を実行するために使っているのだろう。環境政策のPRのために使うのなら、そのためだけに購入した車を使うべきだ。

急に市長が出かけないといけないというとき、市民が運転して遠出していたらどうするのか。それはもはや公用車ではない。公用の際の運転手だって、厳密に採用のルールや給与の基準があるはずだ。いつぞやの都知事は休暇で私用してこっぴどく叱られたろう。

いろいろ考えたが、「意味はある」という回答は見つからなかった。唯一、テスラを市内で生産していて雇用を生んでいるのならいいかな、と。環境政策のPRということなら、テレビで「物議」などと放送された段階で成果は出た。行政は無駄遣いをしてはならない。市職員も市長をいさめたほうがよい。




IMG_20180708_123845

地元選出のアーティストに目をつけよう

高橋優さんというアーティスト、ご存知ですか。私はYouTubeで初恋を歌ってる姿をみるなどしていました。この方、秋田県横手市のご出身。そして、夏になると、熱心に秋田で音楽フェスを仕掛けておられます。県のあきた音楽大使でもある。秋田魁新報がLINEでよくニュース流しています。

これ、当世流の地域おこしです。音楽フェスって暑いときに踊ったり水かぶったり、頭おかしくなったんじゃねえか、とおもっていたが、たしかに人気アーティストがでてくるとたいへんな騒ぎになるのだけど、行ってみると面白い。かつて行った東北あたりだとゆったりしてるし、屋台も楽しいし。

そこを地元産アーティストが盛り上げてくれたら、なんとなく地元発の文化的な輪ができる。それも若いひとの。高橋優さんが飽きずに毎年着実に地元でフェスを背負う姿、他の地方はもっと羨ましがったほうがいい。秋田なんて特に人口減で自殺も多い。彼の懸命な唄は秋田の未来に響くはず。

仙台で暮らしていたとき、MONKEY MAJIK とか仙台貨物とかRAKE とか、仙台ゆかりのアーティストの音楽をよく聞いていた。いい歌なんだよな、どれも。しかも、全国発信が可能。もちろん中村雅俊みたいな人もいいんだけど、若い人のムーブメントを作れる地元選出のアーティスト。これは大事にしていくべきだ。

岡崎体育が京都府宇治市の実家に住み続けて、曲作ってるという話に感銘を受けたことがあるが、このエピソードだって全国に宇治を猛アピールした。平等院並みのインパクトでしょう。侮れない若手アーティスト。こんな人材が地元にいれば、自治体は積極的に接近を図っていきましょう。生けるゆるキャラ。いや、立派で強力な地域おこし協力隊員になってくれること請け合いです。



20140908_142251

自治体アンテナショップ、私のベストは?

6月28日付の日経MJを読んでいたら、「自治体アンテナ店 倍増」という記事を見つけた。2018年度で過去最高の58店、10年で倍増したという。地域活性化センターの調べをもとに記事にしている。

私も結構、都内の自治体アンテナショップを回るの好きである。東京交通会館のむらからまちから館が一番便利。結局、地元特産のおかしを買うのが楽しみなのだな。

やはりその地方の顔となる店だから、銀座の立地が多い。いいんだけど、高いでしょう、賃料。宮城県は池袋に作った。少しは安いのかな。自分の生活圏ではないのだが、池袋にいけば必ず立ち寄る。

以前、戸越銀座の商店街を歩いていた時に福井県坂井市のアンテナショップを見つけた。なるほど。安くて、日用の品を提供できればいける立地。自治体同士のつながりがあれば、なじみにもなろう。

新橋では鳥取と岡山、愛媛と香川がタッグを組む。北東北3県も大阪で共同展開しているが、地域ブロック、隣接県で打って出るのはいい戦略だ。これからは県単独でなくタッグを組むこと。これだ。

新宿バスターミナルのところで初めてみたのだが、AKOMEYAというコメをベースに生活雑貨をそろえた店がある。地域色豊か。どこがやってるの?と思って調べたらサザビー。さすが、センスいい。

各自治体も単県でPRするのではなく、本当に売り上げにつながる展開を考えてほしい。横連携は不可欠でしょう。着物とか食器とか、地域によって味わいの異なるものを一挙に集めたら、違いを楽しみながら買い物できるのではないか。東京ドームでは大きすぎるが、どこか百貨店とか。

デパートといえば、あちこちで物産展ってやってるが、いつ、どこでやるのかわからない。だから、気づいたときには出遅れる。どこか、物産展情報をまとめてお知らせするサイトないかしら。

それからもうひとつ。知事は域外にいるのなら、必ず自分のところのアンテナショップ等々で営業すべし。地元産にこれほど精通している人いないのだから。

ちなみに私の私的ベストは東銀座の「いわて銀河プラザ」。龍泉洞コーヒーとかもめの玉子を買って、歌舞伎座幕見席に向かうのは、とてつもない幸せを感じます。

20141025_180616

読書感想文~~こどもを育む環境 蝕む環境

建築家の仙田満氏による「こどもを育む環境 蝕む環境」(朝日新聞出版)を読んだ。「こどもは未来」と考える著者の集大成。「環境」と銘打っているが、内容はそれにとどまらない。こどもへの愛にあふれている。こどものために何とかしてあげたいという思いが詰まった本だ。

親としてもたびたび膝を打つ思いで読ませてもらった。筆者は「こどもの頃に十分遊んだ経験のない親が増えている」と憂いている。たしかにろくな育ち方をしない子が親になったとき。。。私もどう育てていいか迷うことが多いし、ろくな育て方してない。大いに反省した。

ここで取り上げる以上は自治体への示唆である。こんなくだり、自治体関係者は耳が痛いのではないだろうか。「今まで、地方自治体の首長は、どちらかというと投票権を持つ大人に配慮し、こどものための公共投資を十分にしてこなかった」。

そこで筆者はこどもに優しい都市を評価しようと訴える。こどものために施設を作ればいいというものではないが、どうせ作るならこどものためになるような作り方をしよう。そんなヒントが満載だ。こどもが喜ぶめまいのするような遊具、ムダなしかけ。都市の中にもっとあるといいだろう。

少子化対策の必要性は頭では理解できるが、という人は多いだろう。この先、日本は高齢者ばかりの国になる。学校や幼稚園をうるさいと感じる大人は確実に増える。なんせこどもがいないのだから、接し方がわからない。未来のためとか、こどものためとか、考えられる人は減っていくのは間違いない。

筆者は国にこども省を、自治体にこども局をつくれと提言してきたという。個人的にはやりすぎだと思っていたが、確かにここまでやらないと大人は気づかないかもしれない。予算は急には増えないだろうが、縦割りをなくせば、こどものための環境づくり、どんな形であれ、進むに違いない。

こども偏重で政策を立案したい--。そんなことを言える首長、自治体を探していきたいものだ。将来を支えてくれる有望な若手はひとりでも多いほうがいい。高齢者のためにもなる。かつて「こども店長」というCMがあったが、こども大臣。いいではないか。
IMG_20190707_150521
ギャラリー
  • 参院選の政党公約を読んでみた
  • テスラを公用車にする意味は?
  • 地元選出のアーティストに目をつけよう
  • 自治体アンテナショップ、私のベストは?
  • 読書感想文~~こどもを育む環境 蝕む環境
  • ふるさと納税で減収、世田谷区を助けたい
  • 参院の存在意義ってなんだろう
  • 親善大使は地元マニアを選ぼう
  • G20、大阪はもうかったの?