自治体のツボ

地方分権ってどうでもいいことなんでしょうか

地方自治・地方行財政・地方創生…地方のあれこれを取り上げます

いざ統一選後半、721選挙の審判は

いよいよ統一地方選後半の投票日。NHKの報道によると、無投票の186を除く721の選挙が行われるそうである。統一率の低下、無投票の増加など、統一選をめぐる環境は大きく変化しているものの、それでもこれだけの選挙がある。各地で真剣な候補者選びが進むことを期待したい。

ところが、きょうは統一選をかすませそうな強敵がいる。大阪と沖縄の衆院補選である。メディアの関心はこっちに行ってしまうかなあ。国政とも連動性が強い場所での補選。これは夏の参院選の前哨戦にもなりうる。ま、各地域の選挙戦とは関係ないのだが。

自分の住む地域でも選挙がある。先ほどからうちの地域の選挙公報をみていたのだが、それぞれこれをやります、こういうスタンスで臨みますと勇ましい。公約を記しているので実はなかなか読み応えがある。地域色もあって興味深い。もう少し現在の行政へのスタンスを書き込んでほしい感じ。反対か、賛成か。

党派色も意外に強い。地域の選挙は地域をどうするのかが知りたいところ。あそこの道路をどうする、ここにこういう施設を作る、こういう政策をまとめる。国政に準じて政治をやるだけではないはず。公報をみていると、手弁当で行政の問題を掘り下げようとしている人に目が向いてしまう。

何はともあれ、選挙がある地域、どこでも投票率があがるといい。
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崩れゆく地方の選挙

17日(水)の朝日新聞朝刊に「統一地方選 町村議選、定数割れ倍増」と出ていた。統一選後半戦の告示を報じたニュースだが、8町村で候補者数が定数に届かなかったのだそうだ。4→8を倍増というのはどうかなとは思うが、選挙のたびに状況は悪くなっていますよという警鐘を鳴らしている。町村長選の無投票は45%だという。数にして55。これはもう、地方行政が崩壊しているとしかいいようがない。

議員のなり手がいない。いくつか理由を考えてみた。正解はどれか。
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①仕事に魅力がない
地方自治体の仕事をチェックし、政策を作るということがイメージできない。賃金水準も低くやりがいが感じられない。選挙に出るなんてまっぴらごめん。議員やるぐらいなら首長か職員になる。

②地方自治体に関心がない
自分の生活、家族の生き死ににかかわる話だが、そこに参画してきちんとした市民生活を整えようという意識がない。公的な仕事に就くなら、民間でばりばり稼ぐ。

③選挙がめんどう
政党のしがらみや当選に向けた選挙運動をどうやればいいかわからない。手弁当ではとてもできそうにない。そもそも自治体に関心ないから、なにを有権者に訴えたらいいのかわからない。

④ヒトがいない
人口減で議員になる人がいない。若い人なんか全然いない。高齢者で議員やりたい人はもうやってる。

⑤地域の未来、どうでもいい
別に地方なんかなくなってもいい。目の前の自分事のほうが大事。コンビニがあれば生きていける。コンビニがないなら、引っ越そう。
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たぶん裁判員のように、強制的に仕事を割り当てるしかないのかもしれない。公的な仕事だから、地域の皆さんが順繰りで請け負うしかないのですよ、と。または議員育成システムを小学生から仕込むとか。なにか無理にでも議会の仕事に目を向けさせないと、次回統一選を報じる際、「〇〇村議選、立候補者ゼロに」「〇〇町長選告示、出馬表明なし」といったニュースが出てくるだろう。きっと。

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読書感想文~~管理職のオキテ・明るい公務員講座

いまミドルクラスとされる人たちは本当に大変なのである。自分が若い時は結構な仕打ちを受けてきたのに、さて、いざ自分が権力をもったら強権発動を封じられる。部下に優しく接し、ひとりでも辞めさせないことが重要任務。もとより職場で暴力を振るうのはもってのほかだが、だれもなにも言わなくてもひとつの方向にむかって走るという会社の常識はいまや世間の非常識となり、家庭の事情や心の不調を持つ人のために気配りをしないといけない。働き方改革が強いる自己犠牲。ミドルはその真っただ中にいる。

今回読んだ「管理職のオキテ」は公務員向けに働く気構えを平易に説いたものである。ターゲットは課長。役所や自治体の課長に向けてのメッセージが満載である。そのどれをとっても、実は民間企業にも当てはまる。上に書いたとおり、組織で苦労している全ミドル向けのマニュアルともいえる。「全公務員必読」とうたっているが、「団塊ジュニアのミドル必読」と書き換えてもいいのではないか。

課長はコーチ、と書く通り、まずは組織が求める働きがいままでとは変わるとの認識を持てと迫る。やりたいことをやればいいというのではない。組織を円滑に動かすために身を粉にせよというわけだ。ここが割り切れるかどうかが非常に重要なのだと思う。プレイングマネージャーは格好いいが、仕事の技能が伝承されるわけでなく、人も育たない。監督として勝利という大目的に向かって組織を動かす、そこの意識を持つことが重要と説く。

優秀な部下を持った上司は幸いである。しかし、いまやどこの組織もそんなエース級は少ないだろう。そうすると、いかに中間層の働き手をなだめすかし、ときに叱咤し、戦力に仕立て上げていくか。その技量が課長には求められるのだ。本書はそこを強調する。アリの世界はよく働く上位2割、中間の6割、働かない2割に分けられるそう。この6割への目配りが欠かせない。しかも、この6割、いつ下位2割に転落してもおかしくない。子育てなどでやむなくそうなる人も多い。難しい時代に入った。

本書のような課長が増えれば、組織全体の不満は少なく、前向きに仕事をする空気が出てくるのではないか。やるべきことをはっきりさせ、ゴールに向かって効率的に進む。管理職としての力の発揮は次の仕事の舞台を広げることにも役立つだろう、ただ組織のごたごたをまとめるばかりだと、課長もつらくなる。課長だってやりたいようにやりたい。新しいことをしたい。そんなときに支えてくれる理解ある部下がいるといい。自分にそんなかけがえない後輩がいるか。考えさせられた。

筆者は官僚として日々調整に奔走し、豊富な地方経験も持っている。そうした過去の経験をふんだんに盛り込んだ本書は、働き方改革を強いられる中で、組織をひとつにまとめ、しっかりと成果を出すのはどうしたらよいかに悩む人におススメである。
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大熊町の新庁舎完成を祝う

14日、福島県大熊町が新たな庁舎の開庁式を開いた。安倍晋三首相も出席したとのニュースが流れた。今回はこの開庁式がどういう意味があるのか、まとめておきたい。

東京電力福島第一原子力発電所が立地するのは双葉町と大熊町。このうち大熊町は10日、放射線量の高い帰還困難区域を除き、避難指示を解除した。原発立地自治体では初めてのことだ。町西部の大川原地区と中屋敷地区が対象だ。この大川原地区が新たなにぎわいの拠点として整備されていく予定だ。

かつての大熊町の中心は大野駅周辺にあった。福島原発に近く、最近ようやく特定復興再生拠点の認定を受けた。帰還困難な地域にはあるが、特別に戻ってもよいとする地域のことだ。ここを整備するのにはなお時間がかかる。そこで大熊町は大川原地区に庁舎を設け復興を進めていくことにしたのだ。

帰還困難区域の解消はなかなか望めないから、大熊町は大野駅周辺と大川原地区を二枚看板として賑わいを取り戻すのであろう。だが、震災前の1万人の人口はどのくらい戻るか。町の計画では当面、2600人を目指す考えだが、アンケートからは1000人ほどしか帰還を希望していない。

これからは文字通りコンパクトシティを作り、少数の拠点に密集してもらったほうがいい。ゴーストタウンにせよというが、ふるさとに戻りたい人はいる。まして今回は原発事故に起因している。戻りたい人を素早く、かき集める。家の近くで生活することで、生活復旧を考えやすくするよう後押しする。

だとすると、大川原地区にできた新庁舎は戻りたいという人のシンボルタワーになる。ここで身をよせて、生活の足掛かりを築きつつ、将来を探るほうがいい。戻れない人を残念がっても致し方ない。戻れる人、戻りたい人を可及的速やかにシンボルタワー周辺に住まわせる。それが復興の近道だ。

人口減で消滅するのならやむを得ないが、原発事故でまちの灯を消してはならない。とにかく早く。時間がたてばたつほど、戻る人は減る。密集してにぎわう姿を見せられれば、外から見にくる人も増える。新庁舎を中心にそういう好循環をはぐくみたい。

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無投票で市長になった27人

統一地方選後半戦。86市長選のうち、実に27が無投票となった。それでいいのかな。よその地域の悪口を言うつもりはありませんし、それも有権者の判断。立候補した人ががんばればよいのだが。地方政治、地方での民主主義の崩壊ぶりを目の当たりにしているのかもしれない。

そんななか、目を引いたのが東村山市。4選をめざす現職が対抗馬の出馬を促したというのである。自信がなければできないことだろう。結局、共産党系の元都議が出馬、無投票は回避された。ふたりとも立派なことだ。それぞれに思惑はあろうけれど、選挙戦をやって、期間中は市の政策に目が向けられるというのは大変よいことである。市民はふたりに感謝しないといけない。

ということを書いていたら、どこが無投票で終わったのか、突き詰めたくなった。以下27市。ここに住んでいる有権者は無投票になったことに思いをいたすべきだろう。もちろん候補者に実績があって、特段手腕に問題がないというのならよい。それでも次の任期の緊張感は軽くなってしまうかもしれない。いずれ積極的に支持された人なのかどうか、ちょっと疑問に思う。

だが、選挙戦にならないといって「では私が」とはならない。中長期的に首長になりうる人を育てていないと。与党も野党も国政の足腰になるのだから、きちんと地方議員を育てるべきだ。英国は地方議員の経験をもとに国会議員になっていく仕組みが政党のシステムとしてあるそう。見習わないと。切磋琢磨がないから、政策立案力が低下し、ろくでもない国会議員ばかり生まれるのである。地方議員を長く続ける人は当然いないと困るし、地方を土台に国政へ飛躍する人が増えるのいい。

伊達、千歳、滝川、砂川、三笠、北上、高崎、日立、白井、富士宮、諏訪、茅野、江南、豊明、田原、多治見、土岐、山県、野々市、津、鈴鹿、高槻、大和高田、五條、明石、高松、別府 

この顔ぶれをみると、知らない地域ばかりではない。結構、都市部もある。津や高松は県庁所在市。高槻市は45年ぶりの無投票だという。合併で大きくなったところも含む。しかし、北海道は人材難なのだろうか。伊達が5回、千歳・滝川・砂川は4回、三笠は2回連続で無投票なのだとか。選挙が成り立っていない。地方行政への関心がないんだね。



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