最近の中央省庁はあまりに活力がない。ならば、いっそのことシャッフルしてみてはどうか。2001年の省庁再編からそろそろ20年。これだけ時代はめまぐるしく変わっているのだから、中央省庁も同じ体制で動く必要はない。時代のニーズに即して再々編しよう。
中央省庁の官僚として霞が関に住み着くという意識をもってほしいので、キャリア官僚は政策全般の回しを経験する経済企画省に必ず在籍する仕組みをとる。いくつかの役所で勤務し、次第に長くいる場所が決まっていくような人事体系にする。別に官僚バッシングをするつもりはない。有能な人のやる気を引き出したい。
橋本行革で大胆な省庁再編を実現したが、ほころびもあらわになってきている。内閣府になんでも押し付ける体制になっていること、厚生労働省が巨大化し動きがとりにくくなっていること、省庁の数は減ったがそれでもエネルギー問題や消防防災、経済外交、産業支援などで縦割りがみられること、などが課題だろう。
以下に再編の私案を示す。霞が関の役所を11省にしてみた。
▼経済企画省(内閣府・経産省・各省統計部門)
→経済政策を立案する司令塔。内閣府を改組する形で防災や沖縄などは別の省庁に移管。官邸主導の政策立案をおぜん立てするのが主な役割。統計の作成と分析を集約。
▼産業革命省(経産省・金融庁・農水省・総務省・国交省)
→民間企業の窓口。産業育成・各種規制を担当。金融庁と経産省の産業支援部署に、農業、情報通信、運輸を合体。
▼環境エネルギー省(経産省・環境省・厚労省・文科省)
→地球と宇宙の環境全般に責任を持つ。原子力などのエネルギー対応、ロケット開発もここで請け負う。電気・ガス・水道のインフラも集約。
▼行政管理省(総務省)→地方行財政と霞が関の行政監視。国家公務員のキャリア育成も担う。
▼財務省(財務省)→ほぼほぼそのまま
▼人生百年省(厚労省)
→厚労省を分離分割し、旧厚生省を復活させる。少子高齢化・年金・生活保護など福祉を担当。
▼人材育成省(厚労省・文科省)
→旧労働省と旧文部省を合体。幼児中等教育から大学までの教育システムと働き方改革、働く人の環境整備までを一貫して担当。
▼国土防災省(国交省・各省防災部局・農水省)
→建設省と農水省に防災部門を合体。公共事業の総元締め的位置づけ。自然災害への対応など有事の備え、消防も担う。
▼外交省(外務省・経産省)→経産省の経済外交と一体化
▼法務省→今のまま
▼防衛省→今のまま