埼玉県の上田清司知事が勇退を表明した。4期もやったのだから、県民の評価は高かったのだろう。県政の舵取りを評価するほど知らないが、行財政改革や貧困世帯対策などで成果を出したという。だが、どう考えても上田県政を特徴づけるのは多選自粛。自ら禁を破ったことで、評判を落とした面は否めない。

退任会見で多選自粛論への反省の弁を口にしたという。毎日新聞のデジタル毎日によると、「有権者が決める話なのに、ある意味ええ格好をした。大いに反省している」と述べたようだ。全国の多選知事にも有権者にも頭を下げた。

どうだろう。これで多選はおかしくないという空気が生まれるだろうか。私は有権者の判断だから、出たい人は何期でも出ればいいと思う。ちゃんとした人ならずっとやってくれた方がいい。選ぶのは有権者だ。選択肢がないというのは言い訳。選ばれるべき人を出す。それが筋。多選自粛をルール化するのは、有権者にも立候補者にも「失礼」なのだ。

ただ最近気になるのは選挙そのものへの無関心だ。無投票で当選する政治家が増えている。そうすると、当選者は有権者のお墨付きを得て活動しているのかが怪しくなってくる。有権者の審判を経ず、なんの判断もないまま、当然し続ける多選首長を乱造しやしないか。そういう観点から考えると、むしろ国民が何も考えないからこそ、多選を抑えるルールを作っておく必要があるのかもしれない。

権力の集中を防ぐため、多選の制限はまさにこれから必要とされる道具なのではないか。国民・有権者がぼおっーとしているから、ルールであらかじめ縛ってしまう。ある意味、政治家による国民への忖たく。あらかじめ作っておいてもらわないと対処できない国民っていったい。。。多選制限法。そんなものができたら、日本の民主主義は崩壊ですかね。
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