政府は21日、「まち・ひと・しごと創生基本方針2019」を閣議決定した。先日、ひとっつも話題にならないと酷評したが、一応読んでみた。うーん。

やっぱり夏の概算要求にあわせて方針を決め、年末に補助金ばらまき策を確定するということでしかない。こういうの、もうやめたほうがいいのではないか。地方も「付き合わされるのまっぴら」と言えばいい。国なんか当てにせず、自分でやればいい。横並びでなく、目立ったもん勝ちなんだから。

2014年から始まった地方創生。1期目の5年間を終わり、来年度は第2期をスタートさせるのだという。そこが今回の基本方針の売りのようだ。「地方創生の次のステージ」へ行くらしい。第1期がちゃんと総括できなくて、2期へ引っ張っていくのはおかしい。

1期の総括は方針で述べている。「地方創生の意識や取り組みは確実に根付いてきているものの、自治体によって成果や対応に違いがみられる」。どうも国の旗振りは奏功したが、自治体の動きに鈍いところがあると憤っているようである。

「また」と続ける。「過度な東京一極集中の是正など、引き続き取り組むべき課題があることを認識する必要がある」。これは誰向けに言っているのか。みんな課題があることはわかっているのではないか。先進的な自治体はなんらかの手を打っている。

政府の自己批判なのだろうか。しばらく読み進めると、「第1期の基本目標の KPI である『2020 年時点で東京圏から地方への転出・転入を 均衡』については達成が難しい状況にある」と書かれる。これは5年間の取り組みが不発に終わったということだ。

基本目標に届かなかったのなら、この延長線上で続けても無駄である。1年間ぐらい、なぜダメだったのか徹底的に議論して、方策を練り直したらどうだろう。人口減の克服なんて難しすぎるが、メディアもいまの政府の立て付けで目標は達成できないと思っているから、報道もわずかなのだろう。

折しも経団連が政府に対し、地方創生の制度や組織が「多すぎる」と注文をつけたそうである。経済界がついていかないのではどうしようもない。地方創生という政策は一過性のブームに終わったのだ。熱気も感じない。いったん店じまいして出直したらどうか。

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