分厚い骨太方針。ページを繰っていくと、終盤で「地方行財政改革」なる項目が出てくる。これがつらつらと多くの文字を積み重ねているのだけど、結局、何を言いたいのかさっぱりわからない迷文に仕上がっている。自治体の人たちにこれを読ませて、国はどういうことをしたいのか、ピンとくる人ってどのくらいいるのだろうか。いや、住民=国民にわからなければ、何の意味もなさないだろう。

国に協力して歳出削減をやれということなのか。国に頼らず自由な発想で行政運営せよということなのか。「(基本的な考え方)」がなってない。考えがちゃんとまとまっていないのに文章を書くと、こういうごちゃまぜ、ごった煮の文章になる。言外にも主張がにおわない文章だ。いいたいことをあえて隠した書き方なのか。手の内をさらすまいということか。ずいぶんな高等戦術である。

人口が減るんだから、身の丈にあわせた行政に縮めよ、ということならそう書けばいい。地方交付税は地方創生の分野で成果反映を強めるようだが、そうなると総額は減る?増える?。地方税制はかなりの改革を志向しているようである。税源偏在の小さい体系にするとか、課税自主権を活用するとか、地方法人課税による偏在是正を進めるとか。年末の税制改正で実現するの? 消費税との兼ね合いは?

一方、おきまりの甘い言葉も満載だ。「歳出効率化に前向きに取り組む自治体を支援」とか「自立的かつ自由度高く行財政運営できるよう」とか「地方における新たな発想や創意工夫をいかせるよう」とか。国に地方を支援する気持ちはあるようだが、「補助金、たくさん出すよ」ということ?「交付税あてにしていいよ」ということ?

国は自治体に何をやってほしいのだろう。かえって長々書いたことで自治体を困惑させるだけに終わっているのではないか。長年のあうんの呼吸で地方は意図をくめるのだろうか。仮に公務員同士が理解しあえても、国民のほうは、自治体がどう変化し、住民としてどんな付き合い方をしていくべきか、さっぱりわからない。もう一回、書き直してくれませんか。だれにでも意図がわかるように。
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