喉元すぎれば暑さ忘れる。備えあれば憂いなし。いろいろな災害格言があるが、災害はきてからが大事という格言ないだろうか。

千葉県の停電。深刻な事態だ。もちろん東電の対応は悪いのだろうが、たぶん、国も自治体もメディアもよくない。台風一過で話題になったのは首都圏の鉄道再開の話ばかり。そこしか見てなかったのではないか。明け方から停電対応しないといけないのに、全国ニュースになるのはずっと後だった。

これだけの災害大国なんだから、災害が発生する前の用心は念入りにやるべきだが、どんな被害が出るかは地震でも台風でも来てみないとわからない。まずは命を守り、災害が一段落したら、そこからが本番、勝負という意識を持つべきだろう。あー、出勤できた、ではいけないのだ。

たぶん今回は台風が来るまでの注意喚起で関係者は精力を使い果たしたんではないか。それも大事。だが、なにより大事なのは災後。初動はそこからだ。2011年からイヤというほど学んだのではなかったか。その意識があれば、11日の内閣改造はない。

台風のちょっと前に京急の大事故もあった。復旧まで時間がかかったが、重い車両だったから、人命の被害は比較的軽かったという。これは備えあればの例だろう。もちろん防げなかったかという検証はいる。しかし、メディアも含め初動は悪くなかったのではないか。

災害や事故の教訓はいくら学んでも足りるということはない。ケースがすべて違うから。それでも基本動作の確認をしておけば、被災者を放置するようなことにはならない。防災・減災・救災。考えさせられる9月である。
IMG20190818090751