台風19号、河川の氾濫やタワーマンションに注目が集まっているが、もっと鉄道の悲惨な実態についても目を向けてもらいたい。鉄道ファンのひとりとして願う。

鉄路はいちど水没したり、土石流とともに流されたりすると、非常に復旧が困難だ。もともと採算がよいわけではない。人口減が加速する中、新たな投資に見合うリターンがあるかというと、なかなか。

今回被災した鉄道を一覧にしてみた。かなり多い。生活に欠かせないインフラだから、JRも民鉄も自治体もそれなりに頑張るだろうが、限界と判断されることもあるかもしれない。心配だ。

▼北陸新幹線/車両センターの浸水と一部不通区間の発生で東京・金沢直通運転を停止。25日再開へ
▼三陸鉄道/一部区間が不通に。現在は釜石・宮古間で代行バスを運行
▼阿武隈急行/梁川・槻木間で運休。お客様救済バスを走らせるも復旧のめど見えず
▼東武鉄道/橋梁に甚大な被害。日光線は25日復旧も、佐野線は25日以降も運転再開のめどたたず
▼箱根登山鉄道/運休。箱根湯本ー強羅間で代行バスを運行。営業開始100年で大変な被害に
▼上田電鉄/別所線で鉄橋が崩落。復旧に「一年以上要す可能性」との報道
▼しなの鉄道/上田・田中間で線路上空の橋が崩落、復旧まで相当期間を要する見込み

こうして並べるとみると、やはり営業面で苦戦しているところが多い。泣きっ面にはちという感じだろう。公共インフラの整備として公的支援を入れなければ難しいだろう。

東日本大震災のとき、残念だが、三陸鉄道はBRTで行くしかないだろうと思った。だが、鉄道は雪に強い、時間が正確、輸送量が大きいといった長所から、地元に本当に頼りにされていたのを知った。

三陸や阿武隈、箱根は運休区間が長いだけに、解消まで長く時間がかかるようだと厳しい。鉄路再生についても、もう少し議論が深まるといい。


20140713_070818