自治体のツボ

地方分権ってどうでもいいことなんでしょうか

地方自治・地方行財政・地方創生…地方のあれこれを取り上げます

2019年09月

疑われたら終わりの原発政策

やっぱりこういうことがあるのか。そう思わざるを得ない。関西電力幹部の金銭授受問題である。筆頭株主の大阪市長がさすがにきれたが、あまりのずさんな対応にはあいた口がふさがらない。原発は一定量維持すべきだと考えるものの、日本での展開はますます難しくなるのではないか。自ら律しなければならないのにこの体たらく。

こんなの公務員なら、普通に贈収賄だ。私企業だからといって逃れられるのだろうか。電力は公益性の高い事業。ネットで検索すると、会社法に取締役の金銭授受を罰する規定があるようだ。普通なら原発をつくる電力会社から地元への資金注入となるところ、今回は逆。工事発注の見返りなのか、真相の究明が待たれる。

しかし、カギを握る高浜の元助役が亡くなっている以上、ウヤムヤで終わる可能性もある。関電も逃げ切れるとみての事実隠蔽なのではないか。ここはポピュリズム政党である維新の追及に期待したい。一番は株主利益の毀損だろうが、庶民の不信感を取り除くためにもしっかり追及してほしいところだ。

原発についていうと、こういうもしかしたら、誰かが得しているのではないか、庶民はだまされているのではないかとの疑念を持たれたら終わりだ。必死に必要性を訴え、日本のためになるという大義を叫ばないとだめ。安全性追求の姿勢も疑われる。李下に冠をたださず。その身ぎれいさと使命感が感じられなかったら、絶対うまくいかない。

自治体のほうもなす術なしか。恐らく地元企業のことのみを考えての資金還流なのだろうが、現執行部は、実態解明は無理という姿勢を貫くことになろう。しかし、こういう時代錯誤的な利益誘導はまだあるんだろうか。財政出動が要請されると、またぞろ不可思議な工事が増えそうな。工事の世界は独特な慣行があろうが、こういう不透明な取引を続けてはいけないという教訓にもしたいものである。
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消費税の消耗戦に思うこと

消費税の税率がようやく10%になろうとしている。政府は経済への影響を和らげようと必死だ。それは正しいように思われるが、逆にいびつなキャッシュレス化社会を招き、ポイント漬けのデフレ逆戻りを招きそうだ。どさくさ紛れのマイナンバーカード普及促進もあり、ここまでくると、国民にはホントに消費税って悪者なんだなとの固定観念を刷り込ませてしまうような気がする。  

なぜ社会保障充実への第一歩ですよ、子育て支援強化の一里塚ですよと言えないのだろう。堂々と胸をはって、暮らしの安心を高める税体系にするんです、と言えないのだろう。野党が怒るからか。低所得者への逆進性が高まるからか。そういう人たちの批判に応えて財政大盤振る舞いをしたのではないのか。争点隠しみたいなことやって、少子高齢化に備えた税体系にするための入口で躓いている。なんだか残念だ。

ワイドショーも軽減税率やポイント還元とか、目先の安心感ばかり取り上げる。それは大事だが、なぜ消費税を上げるのか、そこをもっと知らしめていかないと。もう法人税はとれない。日本は世界が注目する会社も少ないけど、法人税はグローバル化で国際管理下におかれるようなものだ。所得税はどうか。再分配機能は大事だが、働き方がかわり、家族の形が変わる中で、過度な増税は無理。働く人を増やして、そこから適正な負担を求めるしかない。質より量だ。

結局、公共サービスの財源は消費税に頼らざるを得ないのだ。経済への打撃、個人の痛税感を少しでも軽くしながら、消費税を通じて負担を求めていくしか、いまの日本社会に道はないのだ。そこを語るべきではないのか、国会議員と官僚は。目くらましみたいなことばかりやってたら、誰も政府を信頼しない。人生100年なんて暮らしていけない。

すぐに「さぁ次はいつ増税する?」とはならないのはわかるから、首相が増税論議を封印する姿勢は理解できるが、それはたぶん正しくない。後世、あの支持率ほしさの発言で成長のきっかけを日本は失ったんだよな、と言われるのではないだろうか。むしろ10%後の姿をちゃんと考えるために、議論を始めよう。ここを起点に再スタートを切ろうと言ってもらいたい。時代に即した税体系を考えようと国民に問いかけてもらいたい。それこそが国の指導者、成熟した国の指導者のあるべき姿なのではないか。

どうも、いよいよ10%前夜の日本をみていると、だめだなあという感想しか湧いてこない。じぶんもそんな国で暮らす一人だけど。やはり政治家と政府が信頼されていないのだ。だから消費税反対論の勢いが弱まらないのだ。消費税に反対するなら、少ない実入りで公共サービスを厚くし、借金もどう返すか示してほしいが、反対する人たちにそこまでの責任は求められない。消費税賛成派と反対派のどちらかがちゃんとした未来図を示さない限り、無責任対無責任の不毛な戦いが続く。吐息しか出ない。

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高知の宇宙人が問いかけているのは

高知県のYouTube映像が話題になっている。安易な移住を戒めつつ、移住を促す内容。題して「田舎暮らしは甘くない」。映像では移住者の6分の1か結局離脱してしまうというデータも盛る。ただなんといっても衝撃的なのは、都会から来た人も田舎に住む人も宇宙人に表現されちゃうところ。よく考えさせられるつくりだ。

興味深く思ったのは、田舎の人も困ってるという視点。人口減の地方からすれば、移住者はひとりでも増やしたいだろう。だが、見ず知らずの人を急に受け入れろといわれても、という人は結構多いんじゃないか。どかどか人の家に入れる人ばかりではない。むしろ変なやつ来たな、というのが普通の感情ではないか。

ホントにその地で暮らしたいと思えば、入ってくるほうが慎重に探りながらやるべき。図々しくてもいいけど、トラブルのもとになるようではなかなか定着しないだろう。個人的には6人に5人が定着しているというデータのほうが驚く。そんなに離脱しないの?と。田舎の包容力はすごいな、と思ってしまう。

高知県は来る人も受け入れる人もいやな思いをしないために、この宇宙人映像を作ったのだろう。2段階移住をお薦めしているとのこと。ただ、これは移住PRの映像なのだろうか。実は社会派ドキュメンタリーなんじゃないか。巧まずして、都会人のマナーの悪さ、傍若無人ぶりを顕にしたと感じる。

人付き合いが苦手なほうが正しくない、ルールを共有できないほうがよろしくない、自然に親しまないほうが普通なのではない。いまの都会人の姿に警鐘を鳴らした映像として見たほうがいいんじゃないか。

転勤や引っ越しでも、その地になじむのは簡単なことではない。よそ者、あとから来た人の扱いというのはなかなか難しいものである。移住者だけでなく、転勤者も訪問者も心して見るべき映像なのでは。そんなに深刻に考えないほうがいいかな?
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ラグビーW杯開幕、鵜住居での戦いに注目!

ラグビーワールドカップが開幕した。私の場合、大学ラグビーはよくみるが、社会人はそうでも。スクールウォーズをみた世代だから、ルールもだいたいわかるけど。さすがに今回は関心のある人が多いよう。この際だから、開催都市は地元をアピールできるといい。経済効果も4千億円あるそうだから。

開催都市は12。列挙しよう。札幌、釜石、熊谷、東京、横浜、静岡、豊田、東大阪、神戸、福岡、熊本、大分。ラグビーとゆかりのあるところが多く、これを機にさらにラグビーと組んだまちおこしを進めてほしい。こういうイベントは終わってからも息長く効果を出したい。肝心なのは持続力。

さて、東北は釜石。鵜住居だなあ。9月25日にフィジー対ウルグアイ戦、10月13日にナミビア対カナダ戦。盛り上がってほしいな。ここでの戦いは注目したい。防災センターの被災など、東日本大震災で大変だった地域。そうしたことにもすこしだけ思いをはせつつ、応援に熱が入るといい。
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原発処理水、透明なプロセスつくれ

原田前環境相がいたちのさいごっぺのように、海洋放出案を唱えた原発処理水問題。後任の小泉進次郎環境相の仕事のような世論ができてきた。その小泉人気にあやかろうというのか、便乗しようというのか、大阪湾に流せというトンデモ案まで浮上。予想外の展開をみせている。

もともとは韓国がいやがらせのように持ち出して、焦点があたった問題。ここまで話題になると、もう放置はできないだろう。政府としての姿勢を決めるべきときなのではないか。大阪がやるというなら、やってもらえばいい。

筋論としては、放出して大丈夫なのかどうか、政府が専門家の知見のもとに判断するのが出発点だ。やっぱりだめということなら、まだまだため込むしかない。これならOKということなら、のちのち責められないように判断基準を明確にして放出に動けばいい。

大阪が出てくるのはこの段階だ。福島からの放出に理解が得られないのであれば、国が放出先を見つける。そこで大阪のような地域が出てくればよし、出てこなければやむなくため込む。安全だけどため込む。そのようにしっかりと段取りと手順を明確にし、その都度の関係者の判断で進める。

そういう透明性のあるプロセスを作って、議論し、行政として進める。のちのち後ろ指をさされないやり方で進める。物事の運び方を考えだすのは行政の得意技だろう。水面下とかなあなあにせず、誰もがアクセスでき、理解できる手順で最終的な放出か備蓄かへもっていく。

ひとつひとつの段取りを決めて、衆目一致、国民の理解を得ながら、納得感をもとに行政を動かす。漁協に責任を押し付けてはならない。そういうのは国民的な人気の高い政治家ならできる。「進次郎が大丈夫というからやる」というのでなしに、みんなが納得できる基準と段取りでやるべきことをやる。そこのプロセスを政治家には
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作ってほしい。

小泉環境相に科学的知見はないだろうが、ポピュリズム的な力ならある。透明なプロセスにそって行政を動かす。それはポピュリズムの持つ力を有効かつ適正に使うということにならないだろうか。



都道府県の垣根をもっと低くしよう

だいぶ千葉県の森田健作知事がたたかれている。姿がみえない、初動が遅れた。難しいものだ。しかし、都市圏の首長は人が多いだけに、危機管理の能力はこれまで以上に問われているといってよい。埼玉県と愛知県では豚コレラ対策に追われた。今まで経験したことのない危機、想定できていなくても、とにかく何か起きたら即座に動く。動かなくて怒られるより、動きすぎて嫌がられるほうがいい。

最近、思うのは、一つの都道府県だけで、事はすまなくなっているのではないか、ということだ。自然災害は広域で大規模に発生するし、犯罪も県境なんかあっさりまたぐ。しかも、未知なる課題との遭遇が多い。豚コレラもそうだが、外国人問題も急激に大変になっている。県同士の連携をよりダイナミックに、かつきめ細かくやったほうがいいのではないだろうか。

少なくとも向こう三軒両隣、隣接する2~3県とはすぐに情報共有と助け合いができる関係を築いておく。かなり距離の離れた県同士、姉妹協定を結んで、有事には仲の良いところが率先して助けに行く。新たな課題が起きたら、その発生自治体の話をすぐに聞ける体制を作る。飯泉全国知事会長の会見記事を読んでいたら、「都道府県の横連携を進める」と述べたとか。これは大事なことだろう。

新たな都道府県協力の在り方を考えると・・・
▼危機管理は発生県を中心に隣接する2~3県で協力する
▼圏域を超えた姉妹協定を必ずひとつ以上結んでおく。住民も日ごろから行き来する
▼問題ごとで協力しあう広域連携会をいくつもつくる(豚コレラとか子育てとか外国人とか)

例えば、宮城と広島が組んでしまう。カキの生産を競うライバルだが、それをてこに普段から協力しあう関係を作っておく。群馬が発起人になって、外国人労働者の問題を考える県連合を作る。都道府県合併とか道州制とか時間のかかることを探るより、そういう積み重ねでいつの間にか県への意識がかわっていたという形になるのがいいんじゃないだろうか。
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災後の目配りなぜ足りない

喉元すぎれば暑さ忘れる。備えあれば憂いなし。いろいろな災害格言があるが、災害はきてからが大事という格言ないだろうか。

千葉県の停電。深刻な事態だ。もちろん東電の対応は悪いのだろうが、たぶん、国も自治体もメディアもよくない。台風一過で話題になったのは首都圏の鉄道再開の話ばかり。そこしか見てなかったのではないか。明け方から停電対応しないといけないのに、全国ニュースになるのはずっと後だった。

これだけの災害大国なんだから、災害が発生する前の用心は念入りにやるべきだが、どんな被害が出るかは地震でも台風でも来てみないとわからない。まずは命を守り、災害が一段落したら、そこからが本番、勝負という意識を持つべきだろう。あー、出勤できた、ではいけないのだ。

たぶん今回は台風が来るまでの注意喚起で関係者は精力を使い果たしたんではないか。それも大事。だが、なにより大事なのは災後。初動はそこからだ。2011年からイヤというほど学んだのではなかったか。その意識があれば、11日の内閣改造はない。

台風のちょっと前に京急の大事故もあった。復旧まで時間がかかったが、重い車両だったから、人命の被害は比較的軽かったという。これは備えあればの例だろう。もちろん防げなかったかという検証はいる。しかし、メディアも含め初動は悪くなかったのではないか。

災害や事故の教訓はいくら学んでも足りるということはない。ケースがすべて違うから。それでも基本動作の確認をしておけば、被災者を放置するようなことにはならない。防災・減災・救災。考えさせられる9月である。
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高市総務省の出方を探る

さて、改造後の総務省の課題はなんだろう。ちょっと考えておきたい。高市大臣はよほど安倍首相に買われているんだな。女性枠としてもいいし。

前大臣との比較でいえば、まず求められるのは地方との関係だ。係争処理委にNOを出されたふるさと納税。ここをどう落とし前つけるか。

菅官房長官の肝いりとされる政策だから、うまく軌道修正し、地方の総務省不信を解消したいところだろう。ただ前回の大臣時代、地方とは目立ったトラブルはなかったから、ここは融和を果たすと見込んでおきたい。

総務省の軸足は郵政に移るのではないか。かんぽ不正て日本郵政への目線は厳しくなりかけている。放送行政もN国の出方次第では無風とはいえなくなろう。もともとタカ派的だから、NHKには厳しく改革を迫るかしれない。

通信も楽天の背中を押すだろう。消費増税後の負担感緩和に欠かせないのが通信料金見直し。となると、地方には笑顔、郵政には不満顔。そんな力の入れ方になろうか。
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内閣改造、酒の肴にすらならず

さて、今回の内閣改造は、第4次安倍第2次改造内閣というのだそうだ。もう大臣になりたくてなりたくてしようがなかった人たちをどーんと集めた印象しかない。麻生や二階といった派閥への配慮がいきとどいている。ま、この顔ぶれで本当に議論が進めば文句はない。結果をみるしかない。

以下、ファーストインプレッション。

このブログに関係するのは、再任した高市総務相、初入閣の北村地方創生相、田中復興相あたり。しかし、内政の総務と厚労は再登板。このあたり、首相は政権の安定に欠かせないと見ているのか。しかし、ふたりとも前回だいぶ物議を醸したが。

事前の報道で気になったのは、重要閣僚とか内閣の骨格とか言う表現。官房長官のほか、財務、外務、厚労ぐらいが重要閣僚か。あとはどうでもいいとはいわないが、政権運営上はさほど重要ではない、と。官邸がそういってるかはともかく、マスコミはそういう感触を取材で得ているということなんだろう。

だから滞貨一層内閣とかお友達内閣と呼ばれるのだ。みんな、無理しないでいいよ、無理するのは重要閣僚だけでいいんだからね、といわんばかり。どうも新規の政策が動き出す感じはしない。社会保障の負担と給付は喫緊の課題なのに、やることすら恐れるのはどういうもんかな。

経済を安定させて、五輪やって、うまく行けば憲法まで。静かに静かに。そんな感じかな。
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震災8年半、とにかく忘れない

きょうで震災から8年半。もうそんなになるのか、との感慨を持つ人が多いのではないかと思う。いみじくも福島県大熊町長が次の町長選への4選不出馬を表明、これで県内の首長で震災を知る人は飯舘村と川内村の2村長になった。遠くなりにけりということか。そして内閣改造で、新復興相に田中和徳氏が就いた。ご本人になんの問題もないが、縁もゆかりもない議員。麻生派の論功だそうだ。進次郎じゃないのね。田中氏の手腕に期待したい。

さて、いくつか目をひいたニュースを紹介しておこう。きょうの新聞朝刊とネット報道から。だんだん被災地への意識も薄れていく。きょうはきょうで、千葉県の台風被害が実は相当深刻であることも明らかになった。そちらへの対処も急ぐべきだろう。そうした中で、東北被災地だけに思いを寄せるのは大変だが、地元発のニュースにはよく目をこらす。いいこともわるいことも。できることをしていくしかない。

★福島大学が避難所再現
図書館に復興展示コーナーを新設。風化懸念に対応

★JR東日本が被災地BRTに新車両を投入
行き先表示にLEDを活用し、スマホ充電の設備も

★新復興相に田中和徳氏
麻生派の処遇人事。実力は未知数

★前環境相が原発汚染水の海洋放出に言及
やめる間際に私見を披露するのは、どうも。

★仙台市、電気代払いすぎ
取り払った電柱の分の電気料金を払っていたそうで、東北電力と負担し合う。職員も自腹。
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ギャラリー
  • 地方目線で新閣僚を点検すると…
  • 自民党の国取り合戦を眺める
  • 安倍政権の総務相を振り返る
  • 震災9年半③福島被災者、決断のとき
  • 震災9年半②復興と五輪は切り離しを
  • 震災9年半①復興卒業へのレール
  • 地銀経営、ガバナンスに難あり
  • 100年目の国勢調査はネット回答で
  • 尼崎ラブホ定義変更にいらぬ心配