自治体のツボ

地方分権ってどうでもいいことなんでしょうか

地方自治・地方行財政・地方創生…地方のあれこれを取り上げます

2020年05月

給付金、なぜ寄付を強要する?

定額給付金、あなたはどう使いますか。国がくれるというんなら、もらいましょう。

だけど。自治体で働く人たちがなんだか受け取るなという空気を作られているようで、気の毒だ。

神戸市長は当初、受け取らない意向を示していたが、夫婦で香美町に寄付するそうだ。そうまでして、もらうの拒否するか。

加西市はなんと全職員からの寄付を想定した基金を作るのだという。可愛そうな職員。公職にあるから出せ、というのはおかしくないか。

政治家である首長のスタンドプレーは大いにやればよい。それで、助かる人もでてくる。

だが、職員にもプライベートはある。いまも激務だろう。仕事なくならないんだから受け取るなって、なんの腹いせなのか。

やはり、みんなに配ったりするから、こういういらぬ差別を呼ぶのだ。制度設計をしっかりやって、ホントに苦しい人に届けるべきだったのだ。

しかも、遅い。マスクもそう。遅えわ。

素直にお金やマスクをもらえない空気とはなんなのか。

自発的でない寄付を強要するような動きには異を唱えたい。



大村知事が向けるべき矛先

愛知県の大村知事が大阪府知事と場外バトルを展開中だ。コロナ対策を巡り、要は東京都と大阪府は医療崩壊したのに対し、愛知県は的確にコントロールしたと話し、大阪の怒りを買ったと。

大村知事が言うとおり、データに基づいて白黒つけてくれというほかないが、テレビ的ではある。政治バラエティで培った独自のセンスがこういうところて発揮されているのだろう。

対立をあおって、自陣の有利、正当性を主張する。これはトランプ大統領の手法とよく似ている。どうしてここまでというほど、自分にすべてを都合よく解釈する。一定数の支持も背景にあるから強い。

名古屋市長、静岡県知事、大阪府知事と次々に敵をつくり、打ち込んでいく大村知事。それを小気味よいと有権者が思うなら致し方あるまい。そもそも消毒液飲めみたいなことは言わないだろうし。

ここで指摘しておきたいのは、どうも矛先の向かう先が違うのではないかと。向けるべきは国でしょ、コロナでしょ。エネルギーは政策に注ぎ込んでくれ、と。テレビに映ったからよしではないはずだ。

さすが小池知事。こんな喧嘩は買わない。スルーすると、都政に専念しているように見えてくる。闘うべき相手が見えているのだろう。時々失敗するけど。口紅忘れたなんてスマートなテレビ政治だ。

知事同士、喧嘩するなら、空中戦でなく、どっかでしっかり膝を交えて政策論争を繰り広げてもらいたい。国のためになる言い争いをやってもらいたい。感情的なもつれは地方行政にはいらない。

歩きスマホ禁止条例、あえて問題提起

大和市が歩きスマホを禁じる条例をつくる。マスク着用条例とあわせ、市からの注意喚起。ユニーク条例といえよう。

繁華街で高齢男性がスマホを見ながらふらふら歩く姿をよく見る。危ない、ホント。ネットも条例化を割と好意的に受け止めているようだ。

ただ、あえて。罰則もない精神的な条例は、作ると表明し、できるまでが命。そうだなあ、大事だなあ、で終わってしまう。一石を投じて終わり。 

効果を持続させるには、やはり罰則がいるのではないか。法律がないのにできないというかもしれないが、そこまで考えてこその条例ではないか。

お茶の間気分で作るんじゃないよ、まちで具体的な問題があふれてるから条例で対処するんだよ!というところ。罰則がないとその切実さが出ない。

逆にいうと、世の中で大変と騒ぎになっているから作るんです、では、誰のための条例かわからなくなる。スローガンのたぐいと変わらなくなる。

考え方はいいが、果たして条例にするべきものなのかどうか。条例と憲章の差、線引きがわからない。ここは市議会でしっかり議論してもらいたい。

オンライン申請休止はわずか13市区町

たった13? 総務省が特別定額給付金で、オンライン申請を受け付けていない自治体を調べたら、それしかなかったそうである。なんと。少ない。

高松市の話を聞いたとき、住民向いての判断なら、撤収もあり、なんて思っていたが。みんな意地になってんのか。総務省に絶対やれと言われたか。

そもそも、こんなに国で時間かかって、ようやく自治体で支給するのだ。ここで時間とられたからと地方が言って病む必要はない。丁寧に配ればいい。

では、この13がどこかというと、どこ見ればわかるんだろう。総務省のホームページ、よくわからん。報道からピックアップ。

北見市、秋田市、旭市、国分寺市、調布市、荒川区、袋井市、笛吹市、亀岡市、岡山市、笠岡市、高松市、高知市。再開してるかもしれません。

別に恥ではない。が、電子自治体になってほしい。NHKによると、総務省、発表内容を修正したそうな。それで、全部ださないの?

議会改革だけでよかった地制調答申

「2040年頃から逆算し顕在化する諸課題等に対応するために必要な地方行政体制のあり方に関する答申」。いくらなんでも、この答申題名は長すぎる。

「2040年の地方行政像答申」ではいけないの?首長たちが気軽に「ヨンマル答申」と呼んでくれるなど、親しみやすさとイメージしやすさが大事。

多くの人に読んでもらえる答申を出すべきであった。正確で抑制の効いた提言で世の中は変わるか。笑わせる必要はないが、読み手をうならせないと。

今回は議会改革だけでよかったのではないか。ほかはもう既視感があって、もう文章ばっかり書いてないで、早くやってと思ってしまう。

デジタル化なんかコロナ危機で大失敗した。その反省を踏まえた提言でないと迫力がない。公共私連携もずっと言われていること。

そう考えると、今回は議会改革に絞ってよかった。これとこれをやって議員増やせ、担い手増やせ、でよかった。さほど目新しくないが。

もうこういうまだるっこしい政策立案はやめたらどうか。外部の声を反映するのはいいが、時間がかかりすぎ。成果最優先になってない。

圏域という言葉を削除したのも、なんだか賛否ある議論から逃げたようにみえる。もっとざっくり、荒っぽい、世の中を挑発する答申が読みたい。



地方制度調査会が外した「圏域」

地方制度調査会の専門小委が「2040年頃から逆算し顕在化する諸課題等に対応するために必要な地方行政体制のあり方に関する答申」をまとめた。

早速読んでみた。報道によると、ニュースの肝は総務省研究会が検討してきた「圏域」という考え方の導入を提言しなかった、ところにあるのだそうだ。

まずは圏域から。だいぶ地方6団体が反対していたようで、さすがに強行できなかったようだ。近隣の複数自治体の連携を促し、法的にその存在を位置づけようというものだ。

市町村からすれば、合併につながり、小規模自治体切り捨ての不安がある。一方で総務省や専門家の問題意識もわかる。人口減を放置すれば自治が行き届かなくなるところが出かねないということだろう。

双方の主張にそれぞれ理があって対立しているのだから、なかなか動かしようがない。国から無理に形を決めて当てはめようとしても、うまくいかないんじゃないか。

市町村合併には地方は応じた。国と危機感を共有すればこそだ。その経験あっての圏域だから、お仕着せの制度論には消極的にならざるを得ない。もう勘弁という感じではないか。たぶんこれ以上、圏域の議論を進めるのは難しいだろう。

ただ地方の小規模自治体がフルセットで全部の仕事を共通に担うのは無理だ。これからは緩やかに、県境も越え、町村の枠も越え、住民ありきで連携するようにしたほうがよい。

自治体は地理・人口・産業など現場の実情にあわせて群れる。スリム化もやる、国は地域ごとに考えた連携・協力の機運を育てていけばいいのではないか。圏域という考え方を生かすが、全国一律の強制はしない。

かつて郡という行政単位があった。いまもそのつながりを残す地域はある。法的に位置付けると郡復活
になりそうだが、総務省も法律にするという成果ばかり追う必要はないだろう。地域の実情に即した自治体連携を促す、ということでいいのではないか。

大流行のドライブスルー

こんな局面で、マクドナルドのお株を奪うドライブスルーが地方で注目を集めるとは。

ドライブスルー方式のPCR検査が各地で導入されている。もともとは韓国やドイツで取り入れられ、的確に検査を増やすうえで効果的となったようだ。

日本では最初、気乗りしない空気があった。効果が乏しいとか、資材の確保が大変とか。なんだかやれない理由ばかり探しているようにみえた。

神奈川県はそういう不備があるからウオークインタイプを検討したとか。やらないにしてもこうしますという、それが信頼ある行政のあり方だろう。

なんだか厚労省がピリッとしない。こんなのだめだろ、といってから、いや、やっていいっすよ、って前言撤回。信頼されなくなる。

もちろん感染拡大のリスクやコストなど、課題はあろう。だが、急いでやってみる、無理と思うならすぐ代案に切り替える。そういう迅速な行動が問われている。

鶴岡市ではプレミアム飲食券の配布をドライブスルー方式でやって大渋滞を招いたようだ。密を防ぎ、素早くできそうなものだが、やってみないとわからないことってあるのだ。

地方自治とマスク

コロナ危機、マスクが地方自治のアイコンのひとつになったように思う。されどマスク、たかがマスクである。

さて、伊賀市。当初、市民に5枚ずつ配るとしていたマスクの供給を取りやめると発表した。マスクの品不足が解消され、市民からも財源を別の政策に振り向けるべきだとの意見が出たという。

こういう迅速な軌道修正は歓迎したい。限られた財源を誰のために使おうとしているのか、考えている証拠だ。ただ市内の縫製会社に依頼するとしていたようだ。そちらの経営は大丈夫だろうか。

コロナ危機はマスクの確保を巡って、自治体の独自策へのこだわり、住民サービスへの高い意識を際立たせた。福井県など県民の不安解消で名をあげたところもある。

確保するだけでなく、こうして軌道修正をしてみせた自治体もほめたい。足利市は市長のイラスト入りマスクを配って物議を醸したとか。確かにモノのやりとりは選挙運動と紙一重ではある。

マスクひとつ、いろいろな教訓をもたらした。国政では、アベノマスク、今ごろ配っているのか。政権の人気低下につながった面も。マスク一枚手にとって、地方自治のありようを考えるのもオツですな。
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大量の事務連絡、読みこなせない。。。

救急車がたらい回しにあっていると聞いた。新型コロナの感染を恐れて病院が患者をなかなか受け入れてくれないそうだ。都市部では救急搬送も増えているというのに。救急隊員も病院関係者もぎりぎりの戦いが続く。誠にありがたいことである。

この件を書こうと思い、総務省消防庁のホームページをみた。すると、たくさんの事務連絡なるものを目にした。こんなに、たくさん出してるの?

これがないと自治体も動けないから、大切なんだろうが、こんなにたくさんあると、逆にちゃんと対応できているのか心配になる。自分なら途中で「うるせー」と頭をかきむしる。1、2枚見落とすのも必至。

非常時の国と地方の綿密なやり取りは重要だが、度を越すと何を守っているのかわからなくなる。法律でなく、内々の連絡に縛られるのも機動的といえる半面、行き過ぎと思えなくもない。役所の論理を優先していないか?

文面を読むと、正確に書かれている。消防庁から地元自治体への配慮も感じる。文書で仕事の分担を確認しあうのが役所の文化。たぶんすべての役所が自治体、関係機関とこういうやり取りをしているんだろう。

大事なんだけど、有事にもこのスタイルを貫いていることには、悠長というか、お役所仕事の凄みをやや感じてしまう。
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宮崎県知事、自腹いくら切る?

宮崎県といえば。あなたは何を思い浮かべますか。私は……シーガイア、東国原知事、口蹄疫、マンゴー、新婚旅行、巨人軍キャンプ、ダンロップフェニックス、冷汁、高千穂峡、会社の幹部の出身地。おお、10個出た。

河野知事が26人の県内市町村長と会食すると宣言したそうだ。コロナ自粛でダメージを受けた県内経済を浮揚させる狙い。職員もずらずら続いて自腹切れば、密にはなるが、お金は落ちそう。いい試み。

だいたい自治体の首長は仲が悪い。党派や出自を超えて協力しないと。政治家とはいえ、対立だけすればいいわけではない。しかも、行政のトップはもっと住民利益を考えて政策を作り合わないと。

知事が県内視察というと、選挙活動みたいになるのかな。でも、自腹でお金落とすんならいいだろう。まさかはじめましてなんて人はいないだろうな?日頃からの関係が物を言う。

今回、地方がコロナの最前線になって、自治体間の協力が問われた。もしかしたら、横の連携がよくなっているのかもしれない。県とは上下関係というべきか?

群馬県の山本知事は就任後、県内首長を回ると言っていた。どこまでやったかわからないが、県が基礎的自治体の後方支援に徹するのは、とてもいいことだ。これがニュースになるほど、知事と市町村長はは疎遠というイメージがある。

お殿さまが藩内視察というと、饗応を強いられたり、娘を連れて行かれたり、とは時代小説の話か。宮崎県知事の到着をどう各自治体が迎え、饗応するのか。まさか袖のウラ?報道を楽しみにしよう。

↑これ、袖のウラでなく袖の下ですな。ワイロは。贈り物のやり取りはあったのか、お土産の下に山吹は隠れていたか。歌舞伎「河内山」より。訂正します。
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