自治体のツボ

地方分権ってどうでもいいことなんでしょうか

地方自治・地方行財政・地方創生…地方のあれこれを取り上げます

2020年08月

ポスト安倍、地方にふさわしいのは?

さて、マスコミは次の総理探しに懸命となっている。誰になるんだろうか。このブログの視点で解析してみたい。予測ではなく、地方に望ましい人物はだれか。題して「地方が望むポスト安倍は?」

1番手は菅官房長官。安倍首相が外交で活躍する一方、内政を取り仕切ってきた。ふるさと納税を実現にこぎ着け、総務相も経験。沖縄問題にも精通している。外交はあまりに未知数だが、地方の理解者として、地方政策で得点を稼ごうとするのでは。

2番手は石破元地方創生相。そりゃ地方振興やるでしょ。地方の支持も高いんだから。石破首相なら地方色全開になろう。沖縄問題にも手をつけようとするはず。うまくいくかはともかく。ただ政界での評判が悪すぎ。これは軽視できない。

3番手は茂木外相。栃木選出。外交を経験している今が勉強で、もともとは内政問題に詳しい。原発対応もやったし、行革もやってる。どれも目立つことはないが、地道にこなす印象。派閥内や党内での支持の薄さがアキレス腱か。

4番手は野田聖子元総務相。子育てで苦労しているし、外交安保ばかり背負ってきた人ではないから、女性首相としても見てみたい気はする。ブレーンも不明だし、考え方がオールドな感じもするけれど。官僚は支えようとするのでは。

日本の総理大臣もグローバルな感覚がないとやっていけない。明らかに外交防衛の経験のほうが重要だろう。岸田氏が最有力とされるのもそのため。河野氏も。ともに外交は安定しそうだが、地方政策は不明。岸田氏はコロナ対応で躓いたのが気になる。

目下はコロナ対応が重要。対米関係も重要だが、内政の切り盛りができないと、国民の支持を得られない。あながち地方目線の後継選出は間違っていない。災害対策とか経済対策とか国民を向いて仕事をする人。清廉さも条件になるだろう。あなたの意中の人物は?
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フリップ芸に翻弄されていないか

TBS半沢直樹といえば顔芸だが、地方はいまフリップ芸が話題。コロナ感染の注意点を書いたボードを記者会見で掲げるのだ。わかりやすい、色使いがおかしい、、、反応は様々。

恐らく先陣を切った小池知事の場合、大きな画面で説明資料を表示することもある。都民に全力で説明しようという表れといってもいいのだろう。

他県にも波及し、大村知事は両手に持って掲げるのがトレードマークに。テレビ出演で鳴らした人たちだから、メディアの手法をうまく取り入れている。

ただ。気になるのは、マスコミの報道。知事たちの説明をおいしいとばかりにそのまま報じている。フリップ芸を素材として、そのまま使う。

記者とのやり取りで出てきた言葉に注目するのではなく、知事らが発信したことを垂れ流している。これでは知事のショーである。その中継である。

フリップ芸は記者会見の質と意味合いを変えたのではないか。知事らの説明を聞く場になったのではないか。

自分が言いたいことをそのまま流してくれるのだから、知事たちも楽だ。追及されて立ち往生したり、怒ったりする場面より重用されるフリップ。

テレビ局も顔だけ映すより絵になるのだろうが、記者会見の主導権まで自治体に握られているようで、見るに忍びなくなってきた。

おお、わかりやすい、ありがとう知事、と言う前に、会見で首長にただす、心の声を引き出す。そちらに時間を使うべきでは。
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首相辞意、地方向けに語ったのは……

安倍首相が突如辞任した。吐血報道もあったから、退任もあるなとは思っていたが、このタイミングだったか。政界も意表を突かれたことだろう。

金曜午後5時からの会見に注目が集まったわけだが、さすがに「地方分権、頑張りました」とは言わんだろうなとは思いつつ、眺めることに。

レガシーを尋ねられ、最初に挙げていたのが東北の復興。地元に行けばいいのかとは思ったが、関心を持ち続けたとは言えるだろう。

ただ地方ネタはそのぐらいだった。北方領土は出ていたが、沖縄とか災害対策は言及されなかったように見えた。

そもそもそんなすごいレガシーがない。憲法改正も拉致問題も解決できず。自民党政権の基盤を盤石にしたのが成果といえば成果。あとアベノミクス。

昔、安倍批判をする人を安倍シンパがたしなめる場面に出くわした。シンパいわく「民の生活は脅かされていない、戦争もしてない。経済も再生した」。

なるほど。国民の支持だけ考えて長期政権を築くというのは、意外に国民にはありなんだなと思った。むしろ何かやろうとするのは怖い。

それにしても、モリカケ、桜、コロナと終盤は不出来の目立つ政権だった。ワキが甘いというか、傲ったというか。長期政権の悪弊で、もったいない。

何かなそうとするとこけるというのが、第一次政権の教訓だとしたら、無理になそうとせずにしたたかに行くというのが第二次政権の信条だったか。

政権の長期安定は悪くないという経験ができたのはよかった。特に外交。権力の使い方を間違えてもいけない。まずは体調の回復を祈念したい。
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寿都町の熟議に注目する

寿都町で核のごみ最終処分をめぐる議論がスタートした。賛否がきちんと出されていて、非常に好感の持てる出だしだった。

報道をみると、賛否は五分五分とのこと。観光業者は「埋める前に掘り起こす資源がある」と。うまいね。漁協は町に抗議をした。

エネルギー政策への理解があるのだろうか、原発を作った以上は誰かが処分を引き受けなければという賛成意見が出ていた。

町長は「厳しい。最後は片岡を信じて」と。こういう町長への白紙委任は違うかな。議論を尽くし、最後は町民の判断に委ねるとすべきだろう。

NHKには梶山経産相が出演したが、やはり国がしっかり説明にいかなければだめだ。やれることは丁寧にやる。だめでもいい。プロセスが肝心だ。

寿都町にすべて押し付けるのは違う。だめだったら、東京近郊に作るしかない。実はそれしかないんじゃないかなと思う。
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映画感想文「はりぼて」②刮目ローカル局

つい最近東京スポーツにデーブ・スペクターが出ていた。民放キー局の改革案をぶち上げており、その1つ目が地方局の番組活用だった。なるほど。

まさに「はりぼて」をみて、その改革を早く実行したほうがいいなと思った。丁寧な調査と執拗な取材。メディアの力を感じさせる。

広島の辞職ドミノもYou Tubeで地元局の報道番組をみた。地元だけに丹念に市長ら関係者の場面を切り取ってるなと思ったものだ。

チューリップテレビは、1990年開局の新興チャンネルだそう。「正々報道」という姿勢は失われたらしいが、地道に不正を暴く姿勢が素晴らしい。

こういう独走的な報道は他社から嫌われるだろう。ただ徹底していけば、どこも追随せざるを得なくなる。そこまでトコトン。そこがポイントだ。

執拗であればいいというわけではない。質問するだけでもだめ。反権力のポーズだけでは意味がない。自ら調べ上げ、追求する姿勢が社会を変える。

最後は監督ふたりが異動・退職となって大団円。こんな終わりでいいのかな。テレビではそうならないだろう。映画だからこそのオチか。

「はりぼて」は地方議会のポンコツぶりをあらわにするだけでなく、メディアの優劣にも光を当てているような気がした。
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映画感想文「はりぼて」①トンデモ富山市議会

いい大人がホントにばかだね。バレなきゃなんでもありか。小さく甘い蜜を吸おうとする大人が、日本を悪くしたんだな。謝って済む問題か。

映画「はりぼて」をみた感想である。富山市議会の政務活動費のデタラメを追ったドキュメンタリー。笑えるけど、あきれる。

議員は威張ってばっかり。そのうらで、コツコツと税金をかすめとる。次から次へとみみっちい不正のオンパレード。エラそうだったこの人もあの人も。

改革派も躓く。政策の話はひとっつもなし。映画の中で議会にかかったのは議員報酬引き上げだけ。議長もころころ変わるし、緊張感のかけらもない。

映画は市役所も無責任ではと問う。議会事務局や教育委員会の情報融通も暴かれた。制度論を盾にする市長も悪役と感じさせる描き方だ。

これは何も富山市に限ったことではないかもしれない。全国どこでも「この程度は」と感じているところ、あるだろう。嘆かわしい。

辞職・引退は15市議。返還総額は6500万円に上ったとか。メディアの力とはいうけど、知らんぷりして甘い汁を吸い続ける人々。ホントに気分悪い。
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世界で横行する不正選挙

最近、世界中で不正選挙が話題になっている。為政者サイドの操作が疑われ、その信頼性が揺らいでいる。

ベラルーシでは大統領選で不正があったとして大規模なデモがあった。南米ガイアナでは総選挙の再集計で野党候補が逆転、大統領に就いた。

ちょっと前、韓国の総選挙でも不正が取り沙汰された。電子投票をハッカーが操作したのではと疑問を投げかける記事を読んだ。

米国では秋の大統領選へ向け、郵便投票拡大の是非が盛んに取り上げられている。トランプ氏は投票率アップでの敗北を懸念しているという。

日本の場合、選挙への信頼度は高い。幸せなことだが、関心の低下が著しい。投票率は下がる一方だ。特に若年層が投票所に行かない。

そんな関心低下のすきをついたのか、票の取りまとめを首長や地方議員にカネで依頼する国会議員がいる。広島の買収はきょう初公判。

世界での不正選挙の横行は、逆に選挙の重要性を際立たせる。真っ当なインフラを持つ日本、宝の持ち腐れにはしたくないところだ。
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寿都と女川に頬かむりの国

2つの町が原発とどうかかわるかで揺れている。女川町は東北電力女川原発の再稼働を巡り、議会が肯定的な判断を下した。寿都町は核のごみ処理場の受け入れを検討し始めた。

2町とも町の将来を考えれば、原発との共生が不可欠との判断がある。人口減、経済力の低下を思えば、受け入れやむなしということだろう。反対派もいる。道県との調整も必要。まだ先は見えない。

疑問に思うのは、町の将来をどうするか、という一点に議論が集まっているように見える点だ。地元経済、町財政への効果だけで論じるのはおかしい。国のエネルギー政策との関わりも訴えるべきだ。

とすると、最も疑問なのは国の姿勢だ。なんで両町の議論を見守っているだけなのか。相変わらずの無責任。これが原発事故につながったのではないか。一歩前に出て、キチンと対応すべきだ。

地元がまとまってからこっちもってこいという姿勢に映る。女川も寿都も批判覚悟のうえで歩き始めている。うまくいかなかったら、国のせいだ。最後はカネだろと思って、待っているのか。

そんなんで日本のエネルギーは成り立つのか。原発は絞り込んでルールに則して使うべきだ。1自治体に丸投げするのではなく、国として責任を追うべき問題である。

両町の様子からは切なさを感じる。国のためにもなるからと思って重い腰をあげたのに、当の国は頬かむり。血が通っていない。いくらお金がもらえるからといって、こんな苦労する必要あるのか。
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岩手県知事の真意が知りたい

かなり違和感がある。岩手県知事のGoTo批判報道。思わぬ好反響に戸惑ってるのは知事自身ではないか。

違和感の1つ目。知事が「失敗」と明言するのはどうか。政府にはモノを申すべきだし、反省はすればいい。だが、まるで他人事にみえる。岩手にも観光業者いように。

ただ、この点、You Tubeで会見の様子を見ると、さほど問題はない。時期を問題視しているようだし、ことさら政府を批判しているわけでもない。

党派が違うから、自公政権に異論ばかり唱えるでは困る。地方行政は安定しない。そこは足並みをそろえ、是々非々の遺漏なき対応を求めたい。

問題はもうひとつの違和感。報道に対する一般の受け止めだ。知事発言に喝采を送り、政府を批判する。知事も乗っかられても困るんじゃないか。

知事も「政府のバカ」といったわけではない。思ってるかもしれないが。突っ込んで、具体的に批判しているわけでもなし。

あまり生産的な議論になってない。もちろんGoToは問題がありすぎる。やるべきかどうか、いつやるか、手続きは難しくないか、効果は出るか。

問うべきはそこ。知事さすが、他の知事もぜひ、というのは、悪ノリの類だ。言葉だけの反応が出ないようにするには、記者も真意をたださないと。
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映画感想文「家族を想うとき」

ケン・ローチ監督の「家族を想うとき」という映画を見てきた。宅配ドライバーとして再起を図る夫と、介護士として働く妻。時間に追われ、家族が崩壊するストーリーで描かれるのは、非正規労働者の苦闘であり、共働き夫婦の苦悩だ。

私自身はゆがんだ社会を的確に描き出したという評価より、家族の再生の物語として堪能した。この父親、不況で建設会社をやめ、マイホームも手に入れ損なったところから苦闘が始まるのだが、生活保護には頑として頼るまいとする姿勢をみせた。

自治体が全然出てこない。やはり個人主義の米国だからだろうか。病院も出てくるが、これは公立なのか。貧困になりかかった家庭を公が救わない。学校が登場するが、先生は出てこない。あ、息子を補導した警官は家族の重要性を説いていた。

これでもかと家族に難題が振りかかってくる。個人を自営業者としていいように使う事業主、息子の万引、血の通わない高齢者サービスを強いられる妻、鍵っ子になる女のコ。挙げ句の果てに夫は暴漢に襲われる。救いようがない。

当ブログの関心でいうと、こういうあえぐ家庭の支援で、もう少し自治体に頑張ってほしいなあと思う。頑張る個人をどうにかして苦境から救い出す。ぎりぎりの家庭を社会全体で支えるセーフティーネットがみえない。

独り暮らしの高齢者の生活も悲惨だ。妻役の介護士が頼みの綱。みんなやり場のない怒りを介護士にぶつけてくる。ユーモアのある人はいいが、ほとんどが人間の尊厳を失いかけている。どうしてこんな社会になったのか。出るのはため息ばかり。

この映画をみた大人たちが、自分も含め、この社会をなんとかしないと、と思えたらいいのだけど。家族が大事というところは意を強くしたが、正直どこから手をつけたらいいか、わからなくなってきた。それほど救いがない。若者は絶望し、やる気を失ってしまうかなあ。
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