自治体のツボ

地方分権ってどうでもいいことなんでしょうか

地方自治・地方行財政・地方創生…地方のあれこれを取り上げます

2020年09月

民の振りみて我が振りなおせ

あんまり、こういうことは「理解できるけど」なんて言ってはいけないのだろうな。もっと常識を働かせて、世間に説明のつくやり方を採用せよ、といえばいいのだろうか。

愛知県が在宅勤務する職員を出張扱いとし、1日200円の旅行雑費を支払っていたそうだ。朝日新聞の調査では、愛知を含む5県がこうした手当を支給していたという。

職員の服務は出勤か出張か休暇かしかなく、職場を離れる在宅勤務は出張と扱うのだとか。こんなことだから、公務員の働き方改革は進まないのだな。とにかく役所にいろということだから。

民間勤務の面から言えば、在宅勤務者に何らかの手当を出すことはあっていい。通信費や仕事用の家具は払ってもよいだろう。その代わり定期券代はいらないかも。そこは考え方。

在宅で働きやすくするにはどうするか、という視点で考えるのが民間。在宅勤務というイレギュラーな人にお金を出す理屈を、従来の公務の論理でひねりだそうとするから世間ズレする。

素直に通信費や経費を実費清算すればよい。いちいち条例を変える面倒を考えての出張扱いなのか。官と民で働く思想は異なれど、働き方は揃えてもよいのでは。常識的に判断すればいい。

ひとつ気になったのは、愛知県は他県の例をもとにこうした仕組みを採用したと説明したようだ。お手本がちがう。ここは民間の知恵を借りるところだろう。県庁横並びなんて時代遅れ。

後ろ指をさされないようにという配慮が、実は一般常識からずれるということはないか。はんこ文化もそう。在宅出張は、硬直的な公務の文化そのものにメスを入れる良い機会ではないだろうか。
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12府県は「優勝力士ゼロ」返上を

さて、大相撲秋場所はやっとこさ、関脇正代が優勝した。もっと早く勝ってておかしくないが、これが初物尽くし。熊本県勢初、東農大初。時津風部屋の優勝は57年ぶりという。大関昇進おめでとう。

熊本初と聞くと、まだ幕内最高優勝力士を出したことのない県、いくつあるのか調べたくなる。やはり。ネットには詳細な情報がある。

スポーツ報知の記事を参照。優勝ゼロは次の12府県。宮城、埼玉、福井、岐阜、静岡、滋賀、京都、和歌山、島根、徳島、宮崎、沖縄。

ううむ。宮城県の谷風は優勝制度がまだなかった頃に優勝したのね。熊本もふたりの不知火が優勝制度前に優勝しているらしい。

では最多優勝県は、、、北海道。そりゃそうだ、120回。次は東京48、青森37。ここまでみてきて、2位はモンゴルやんかと気付く。88回。これは国別か。

しかし、ジョージア、ブルガリア、エストニアがそれぞれ1人優勝者を出しているのに、日本の都道府県でゼロがあるのはいただけない。奮起を促したい。

明らかに西日本は少ない。島根なんか相撲発祥でしょ。野見宿禰。だめか温暖地は。裸一貫たたき上げ、寒冷地のほうが強い力士を生むのか。

朝乃山は富山に103年ぶりの優勝、徳勝龍は奈良に98年ぶりの優勝をもたらした。海のない長野では御嶽海が初の優勝力士となった。

前も書いたが、地元出身力士の優勝は郷土に明るい話題を提供する。ぜひ12県は優勝ゼロ県の返上に励んでほしい。
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新内閣は大阪都を支持するか

菅政権と大阪との関係に注目しておきたい。予定通りではあるそうだが、新内閣では大阪万博の専任閣僚を設置した。井上信治氏。いきなりコロナ騒動に巻き込まれ多難な船出か。

東京選出の衆院議員だ。大阪で開くのに東京の議員? という感じもするが、大阪都を巡り維新と自民が鞘当てしている現状を考えれば、この人選には得心が行く。

菅氏と維新は近い。大阪自民への当てこすりだろう。ということは、新内閣は大阪都も実現容認と見てよさそう。菅氏は改革しようという姿勢を評価しているのだろう。

この井上さん、福島事故の中間貯蔵問題なんかで苦労した元環境副大臣。主導権もなく、淡々としていた印象で、果たして地元にどんな爪跡を残したのか不明だが、地方とうまくやる姿勢はあるかも。

にしても、万博の参加、各国もいまから結論は出しにくいだろう。準備の必要から表明してもらわないと困るが、五輪ともども、ちゃんとした国際イベントになるのか不安である。
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みやぎデジタルファースト宣言に期待する

宮城県が「みやぎデジタルファースト宣言」なるものを出した。県民生活の利便性、県内産業の活性化、行政運営の効率化につなげるのだという。

これは、菅政権のデジタル庁設置構想とも合致する。コロナは日本の電子行政の遅れをあぶり出した。遅くはない、いまやろう。

地方からもこういう運動を始めるのは重要だ。まだ精神論に過ぎないが、具体的にウェブ会議の浸透や行政手続きのオンライン化で成果がほしい。

村井知事は「意気込みの表明だ」という。その心意気やよし。県庁からがらっと変えていただこう。先進的となれば、視察も増える、取り上げられる。

そもそも宮城県は上場企業も少なく、起業などで民間活力が乏しい。東京の近さとかデジタルは関係ないんだから、先進企業を増やしてもらいたい。
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震災9年半/福島紀行⑤政府支援にメリハリを

暗いばかりの話ではなく、福島もいわきは賑わっていた。小名浜なんてかなりの混雑。道の駅にいけば、野菜も豊富にあるし。コロナ禍で辛抱を強いられているのは都心と変わりない。ホテルには足立ナンバーの車もあった。少しずつお客さん、増えるといい。

さて、菅政権発足にあわせ、復興絡みの話題もいくつか。ひとつは内閣の基本方針から復興推進が落ちたこと。野党なんか必死になって責めているが、そんなにひどいことだろうか。平沢大臣の「あれ」「たまたま」とかいうのでは言い訳にもならないが「軽視してない」とはっきり言っていた。

急きょ首相の福島入りが決まったみたいだから、まぁ目くじらを立てる必要はない。たてるなら、復興庁の概算要求。前年の半分の6千億円にした。個人的にはそうだろうなと思う。実状に即して必要なものを整えていけばいいのだ。文句いうなら、ここの是非を議論してもらいたい。

コロナの新しい日常は盛んに宣伝されているが、復興もそろそろ新しい日常に移っていいんじゃないか。政府がやるべきは福島振興だ。完璧な納得感などありえないし、支援のトーンダウンもやむを得ないが、被災者のことを思う姿勢が大事だろう。

政権交代というのは、局面を変えるにはいいタイミングだ。復興も来春以降の次のステージを見据え、メリハリをつけていくべき。3県まとめてという考え方はしなくていい。子供の健康や心理のフォロー、廃炉の進展。やるべきことは山ほどある。新大臣の発信力に期待しておこう。

被災地でホラは吹かないように。
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震災9年半/福島紀行④盛況のアクアマリン

この連休、双葉町の伝承館に行くため、いわきで一泊。伝承館の前に、コロナに用心しながら、アクアマリンふくしまにもいってみた。初めて。

がらがらの常磐線特急ひたちで東京からおよそ2時間、泉駅到着。バスでイオンモール小名浜へ向かう。そこからすぐのところにあった。今年で開業20年。コロナがなければ、盛大にお祝いしてるところだろうに。

でも、なかなかの盛況ぶり。間を開け少しずつの入場。スケルトン式の展望台では、降りた人に続いてエレベーターに乗り込もうとしたら、前の人に制せられた。見ると1家族グループで乗るようにとの指示。みんな、コロナに用心し、気を配っている。

展示でいうと、シーラカンス。あとサンゴ礁のキンメモドキというのか、群れで威嚇しているようなすごい立体的なサカナ。マイワシもそうだが、あの魚群はびっくり。もうひとつマグロの水槽の前でマグロの寿司を食えるという趣向もすごい。

楽しめるしかけが満載で興味深かった。研究者が活躍できる施設という面もあるかな。仙台うみの杜水族館のほうがじっくり生き物を見られた感じ。小さい子供向け。こちらはもう少し上の世代に体験学習や研究の場を提供しているよう。

震災時は潮目の海という水槽が濁ってしまったようだ。しかし、3ヶ月ほどで復旧にこぎつけたという。こういうレクリエーション施設が被災地で果たす役割は大きい。隣接するイオンモール、いわき・ら・ら・ミュウとあわせ、ゆっくり過ごせた。
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震災9年半/福島紀行③伝承施設は横連携を

コロナ禍でどこの博物館もそうだろうが、双葉町の伝承館も実にきめ細かく、密状態の回避に努めていた。職員の奮闘に目が行く。ごくろうさまです。

最初のシアターに入るには整理券をもらう必要がある。入場券を購入し、しばらく待ち、指定の時間が来たら並び始める。

シアターは西田敏行さんのナレーションで始まり、復興が道半ばであること、長い年月をかけて被災地を立て直す決意が述べられる。

螺旋状にスロープをあがっていくと、展示スペースに出る。だいぶいろんな映像や映画を見たので、水素爆発すげえと思わなくなっている。よくないが。

やはり10年経つと、インパクトが薄れるのか。富岡の東電廃炉資料館のほうが迫力と自省があり、特徴的だった。

原爆と一緒で、50年も経てば、ひしゃげた道路標識も有用だろうが、まだ10年。生々しい記憶があるからへえー感を欠いてしまう。

ホテルで「311伝承ロード」というマップをもらったが、震災の記憶をとどめる施設、3県でどんどん出来ている。問題は地域性以外の違い。

どれも狙いは似ている。だから、どれかひとつかふたつみたら、非被災者は飽きる。被災者は生々しい記憶を呼び戻され、目を背けたくなるかも。

となると、誰が行くんだ?

ホープツーリズム。各施設、自治体が連携をとり、それぞれの特徴や違いを持ち寄ってアピールする工夫がいるのではないか。それが客を呼ぶ。

被災企業のことを学びたいならここ、福島ならこういう回り方、津波ならこっちとか。精緻に見る側が考えられるようなしかけがほしい。

幸い双葉町の伝承館は外部から研究者も招き、知見を深めるという。研究拠点として外に開けば、タイムリーな対応が可能だし、他との違いを出せる。

各地にできた施設、震災遺構。そこに関わる人たちがどんな意志を持って次の世代にバトンを渡そうとしているのか。その熱意が成否を分ける。
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震災9年半/福島紀行②6号線南下にみた現実

双葉町の伝承館には、いわき方面からレンタカーで向かった。行きは常磐道、帰りは国道6号線を走った。復興なお道半ばの感を深くする。

常磐道下り線は二車線化の工事を進めていた。まだ「この地点の放射線量」が表示される中での作業。マスクもせず大変だ。頭が下がる。

常磐道走行中、双葉で放射線量2.2という数字が出た。まだまだ高い。被曝が心配だったが、NEXCO東日本のホームページは参考になる。ちょっと安心。

そして3月7日に開通した常磐双葉インターから伝承館へ。まず通り抜けるのは帰還困難区域だ。車窓を見ると、がれきあり、黒い汚染土袋も山積み。

しばらくすると、特定復興再生拠点区域に入る。居住は難しいという地域でも何とか帰還できるようにと、針の穴を通すような形でセットされた区域。

きれいな舗装道路が現れると、大きな建物が見えてくる。周りは津波で流されたのだろうか、結構ただっ広いところに伝承館はあった。

帰りは下の道。まず双葉駅。双葉厚生病院や老人保健施設などはそのまま。壊れている感じはないが、人の手が入らない部分に雑草が生い茂っている。

しばらく6号線を走るが、ここは帰還困難区域内。左右の道はバリケードで封鎖され、右折左折はできない。そしてイチエフ、第二原発が現れる。

沿道のしまむらは店内そのままなのか、服がかかっているまま、天井が垂れ下がったままになっているように見えた。コナカの店も植物が張り付く。

沿道のススキは伸び放題、更地も雑草が覆う。ロードサイドの店舗、こしらえた縦型看板にツタがからみつく。

ようやく富岡あたり、急に人の息遣いが戻ってくる。沿道を歩いている女性がいて、こっちも息をつく。人のいない地域はやはり怖い。

伝承館の近くでも看板を持っている人、バリケードで監督する人、道路を造る人。本当に、おつかれさまです、と言いたくなる。

双葉町は意向調査でも「戻りたい」が10%しかない。駅周辺は避難指示が解除されたが、戻っても心安い生活が送れるかどうか。被災者の悩みは深い。

現地をみると、双葉の生活再建はあり得るのかと思わざるを得ない。空間線量の影響が大きすぎる。除染のピッチがあがらないと、帰還は踏み切れまい。

双葉町は2022年春の住民帰還をめざし、5年で2000人居住を構想する。企業誘致も着実に増やす。が、9年半のいま、にぎわう将来図は見通しにくい。
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震災9年半/福島紀行①伝承館の物足りなさ

双葉町に20日開館した「東日本大震災・原子力災害伝承館」。2日目に見に行った。何をやりたいのか、もうひとつはっきり絞り込めていない感じがした。

津波の被害の恐ろしさを訴えたいのか、政府や東電の責任を追及したいのか、今の光明を伝えたいのか。どれも踏み込みが足りない。

どういうところに焦点を当てるかで、来場者のターゲットも明確になるはず。なんとなく誰でも来てね、というライトな感じになっていないか。

双葉に置くなら、原発事故その後にもっと焦点を絞ったほうが良かったんじゃないか。事故直後のインパクトある映像なんかわずかでよかった。

それよりも、子供の健康や心理がどう変化しているのか丹念にたどったり、東電と政府が地元とどのような議論をしているのかを追ったりすべき。

住民の戻りの記録、放射能汚染の科学的検証、経済再生に向けた取り組みなど。時系列で追うべきテーマはいくらでもあるはずだ。

課題を課題として余すところなく伝え、うまく行っているポイントとそうでないところをきちんと整理してもらいたい。

除染や子供の不安などのコーナーをみていると、少しずつでもうまく行ってますというアピールを感じる。好転・進展に水を差す必要はないのだが。

ただ、ネットでは「なかったことにする感」が指摘されている。それは強すぎるとしても言いたい気持ちはわかる。

県の施設である以上、県内で起きていることを克明に記録し、後世の判断材料として供する必要がある。安全性のPRに使うのではなく。

ここに来れば、原発事故後の福島の苦闘と県民の歩みがわかるという施設であってほしい。災後の記録で埋め尽くし、教訓を刻みつける博物館であってほしい。
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看過できぬ地方創生相のホラ

前地方創生相の北村誠吾氏が最後っ屁。大臣引き継ぎ式で「47都道府県回って相当ホラ吹いてきましたから、あとの始末をよろしく」とのたまったそうな。全く、最後までトンデモ大臣である。

といいつつ、発言を検証すると、全都道府県を回ったことは認めてあげよう。コロナ禍でもありホントに全部行ったのかやや疑わしいが、こんな人でも、ちゃんと大臣が現地に出向くというのは重要。

問題は「ホラ」。規制緩和や自治体支援の制度はあるけど、地方の思い通りに適用するかわからんよ、というところをホラと表現したよう。地方提案を全部飲むということではないよ、という趣旨だろう。

こんなバカにした話はない。地方もマジメに国にモノ申す気が失せるだろう。やっぱり政府は本気で地方創生をやろうなんて思っていないということだ。やってますというフリ、ポーズ。

地方は国にすがって地方創生をがんばろうなんて思わないことだ。地域で必要なことをやればいい。全国一律で同じ方向向いて、口開けて補助金を待つなんてことはもうやめなさい、というお告げだ。

菅首相のスローガンは「自助共助公助」。たぶん先頭を走って、ユニークで意味ある政策をやれば応援してくれる。みんな一緒に助けますとはならないだろう。政策でしのぎを削らせる政権、といえよう。

自治体は国をみるより、まずは地域をみる。そこで必要なことをやる。うまくいけば、あとで国も助けてくれる。そんな図式にかえたほうがいい。またそう変わっていくのではないか。

しかし、公文書管理の答弁もろくにできないし、こんな人にまでポストを割り振った安倍政権というのは。閣僚待機組も実力のあるなしで選んでほしいものである。さて、菅政権、いかに。
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