自治体のツボ

地方分権ってどうでもいいことなんでしょうか

地方自治・地方行財政・地方創生…地方のあれこれを取り上げます

2020年12月

今年の10大ニュースを選んでみた

さて、コロナに明け暮れた1年。今年も地方を自分なりに振り返っておきたい。

⑩熊本県知事、ダム容認に転換
7月の豪雨で死者を出し、蒲島知事はダム撤回方針の撤回を余儀なくされた。旧民主党の残り香といえるが、この間、治水を真剣にやってこなかったツケといったほうがいい。

⑨国肝いりの政策で地方大混乱
GoToやら、給付金やら、マイナポイントやら、国肝いりの施策で地方は大混乱に陥った年だった。コロナのせいだけとは言い難い、ちぐはぐさ。国も地方も猛省を。

⑧秋田出身、地方派の首相誕生
あっとびっくり安倍氏退任で、菅官房長官が首相に。地方愛を前面に押し出した。一方で地銀には厳しく。地方を守るためか。イージス撤回なんかは首相の意向もにじんだのだろうか。

⑦栃木県ブランド全国最下位に
民間のブランド調査で茨城県に代わり栃木県が最下位転落。知事は激おこ。調査手法の是非はともかく、北関東は認知が低い。情報発信の重要性を知らしめた。

⑥物議醸した香川県ゲーム条例
今年、最もえっと思った条例。目安とはいえ、ゲーム時間を制限しますかね。ネットでもだいぶ物議を醸した。秋には高校生が県を訴える事態に発展。

⑤コロナに振り回された東京都
東京都は五輪が延期になるなどコロナに翻弄。前面に立った知事は知事選圧勝、年末に脱ガソリン車宣言。国の頭越しだが、気構えは頼もしい。

④動き出した原発、女川&寿都
あの被災地の原発が動き出すとは。宮城知事が女川再稼働にゴーサイン。北海道では核のごみ処分で名乗りを上げる自治体が。震災から9年、原発を動かそうという機運が出てきた。

③ふるさと納税、国が逆転敗訴
泉佐野市と総務省の法廷闘争、最高裁は市に軍配をあげた。国も無茶してはいけないということだ。最高裁がしっかり市にも注文をつけ、制度の問題点を見事にあぶり出してみせた。

②コロナ対応の知事会見に注目
コロナ対応では知事の力量が問われた。北海道知事が先駆けたが、独自の対策やルールをどんどん作り、住民にきちんと説明しようとした。政治家の信頼度がこれほど問われた年はなかった。

①大阪都構想、住民投票で否決
コロナより、地方自治固有の出来事としてこちら。大阪市廃止のインパクトが強かった。大阪市財政局の反乱も効いたろう。都道府県と政令市の関係見直しという維新が投じた一石は意義あるものだった。

次点は「各地でまつり取りやめ」「三重県アウティング条例」「粘った岩手県の感染ゼロ」あたり。

▼ちなみに平成から令和へ、昨年の10大ニュース
⑩千葉県知事の台風対応に厳しい批判
⑨戦後13人目の知事会長、初の四国から選出
⑧関電幹部ら福井県高浜町元助役から金品授受
⑦IR、暗雲たれこめて越年
⑥東京五輪のマラソンは札幌に
⑤神奈川県のHDD流出
④深刻な地方議員のなり手不足露呈
③あいちトリエンナーレ、多くの問題提起
②大阪入れ替え戦を断行、都構想実現に光
①ふるさと納税、総務省と泉佐野市が対立

ということで、いかがでしょうか。重要な事件を忘れていたら、ご指摘ください。みなさま、本年も一年、ありがとうございました。よいお年をお迎えください。

地方紙が選ぶ10大ニュースを楽しむ

さて、もうコロナに明け暮れた一年ももう終わり。今年を振り返りましょう。今日はネットで地方紙の読者が選んだ10大ニュースを拾ってみた。

1位だけだが、コロナの影響を受けた事案が目につく。福島は朝ドラが独占。全部読めないのだが、北日本新聞は朝乃山だったもよう。郷土ネタいいね。

十勝毎日新聞)新型コロナ、十勝でも猛威
東奥日報)夏祭り相次ぎ中止
岩手日報)クラスター発生、感染急増
秋田魁新報)菅氏第99代首相に就任
福島民友)古関裕而夫妻がモデルの朝ドラ「エール」放送
福島民報)「エール」全国で大反響
北日本新聞)大関朝乃山誕生
下野新聞)県内公立校の休校
四国新聞)県内にも新型コロナ禍
徳島新聞)そごう徳島店が閉店
高知新聞)新型コロナ県内でも感染拡大
佐賀新聞)新型コロナ拡大、県民生活に打撃

大晦日発表という地方紙もあるでしょう。見つけたら、追加して行きたいと思います。来年も地域発でイキのよい情報を期待。

盛り下がる年の瀬の仕事納め式

なんだか盛り上がらない仕事納めである。みんなでカンパーイと行きたいところだが、自粛・縮小・中止のオンパレード。節目がないですな。

読売新聞が板橋区の密を避けた仕事納め式の写真を載せていたが、なんか小学校の大きく前をならえで間隔あけたような図。

オンライン式典でも開催できていれば、節目感もあるが、首長の庁内巡回や訓示の取りやめは嬉しいやら寂しいやら、か。

妙高市長は鬼滅の刃になぞらえ、きめ細かく時代の動きを見据えよとおっしゃったそう。スピーチできなかった首長はさぞ張り合いをなくしたろう。

もともと式典の簡素化が求められていたが、コロナで奪いとられるのは残念。なんか世知辛い。おっさんをウザがる若い人にはいいのかもしれないが。

会食が一斉アウトになったらどうする

べつに地方に限ったことではないが、大人数の会食か流行りのようだ。なかなかなくならない。公職についている人は見つかってしまう。

首相のステーキ会合は結果的に何もなかったからよいが、海自は14人で送別会をやり、トップが感染するという、本当なら大変な失態。

地方も出てきた。山鹿市は市職員と市議が54人で会食し、感染者を出した。埼玉県議は感染なしのようだが、30人規模で会食したという。

西尾市議と奈良県山添村議は飲食とコンパニオンを伴う懇親会を開催。西尾のほうは当初問題ないとしたが、一転して謝罪に追い込まれている。

何が悪いって、こうやって公になることで、会食そのものを自粛する人が出ちゃうことではないか。萎縮というか。

キャンセルしなかったのはホテルの食材ロスを考慮したという議員のコメントもみた。ある面、それは正しい。もうけを失うホテルのことも考えねば。

一斉に会食アウトとなれば、ホテルも外食も滅びる。罪深きはノーケアでいつもと同じような規模で集まっているひとたち。

政府や自治体が少人数会合を呼びかけているのに、近いところにいる政治家や地方議員が守らないのではしらける。

問われている人たちが、情報交換のためとかホテルのためとか言って開き直ると、ますます客足は遠のく。そこに思いをいたすべきだろう。

ノー天気に忘年会やってる人ばかりとは思いたくないが、日本のおじさんはこういうところのセンスがとことんずれていると思う。
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ホントに東京から人は減っているのか

東京一極集中の流れに歯止めはかかったのだろうか。総務省の住基人口移動報告で、東京都は5ヶ月連続の転出超過となった。

このほど発表された11月の実績は4033人の転出超過。転出が28000人いるわけだが、5月に初めて転出超となってからこのトレンドが基本続いている。

テレワークのおかげで都心にいなくても働けるとなったこと。しかし、それぐらいで都心から脱出を図るのだろうか。

数字の推移まで見ていないが、転入が大幅に落ち込んだほうが効いているのではないだろうか。人が来ないから、出るほうが目立つという。

都心で電車乗っても人多いし、コロナ変異種という割には空いていない。地方から見ると怖い東京も、都内にいると感覚が鈍るのか。

ま、首相もみんなでステーキ食ってるし。みたいな楽観的な空気が漂うメガロポリス東京。コロナでその機能はどこまで変わるか。
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夕張リゾート破産に見る官民のズレ

夕張リゾートが廃業し、破産申請するという。コロナで客が来なくてはなす術がない。傷口を広げるよりは早めに店じまい、との判断が伺える。

にしても早すぎる、というのが地元の実感だろう。市長は不誠実となじった。怒りは理解できるが、企業にとって先が見えないことほど怖いことはない。

香港系ファンドが事業を担っているようだが、迅速な撤退判断はやむを得ないと思う。気になるのは地元とのコミュニケーションが取れていたか。

言わずもがなだが、破産は会社が消滅する。会社更生や民事再生はまだ将来を捨てていないが、破産はジ・エンド。地元には酷に見えるのもまたしかり。

コロナのせいで、地域経済の主役が急に消滅するというのはこれからもどこかで起こるだろう。その時の自治体の備えは。想定して動けているか。

自治体と企業は生きる論理が異なる。コロナの受け止めも異なる。足並みにはズレが生じやすい。夕張の教訓と言えようか。

夕張といえば、財政再建団体。人口も減り、企業もいなくなり、では地域の将来像は描けまい。年の瀬にまたもや重苦しい話題である。
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地方表す創作四字熟語、思いつかず!

住友生命が世相を映す創作四字熟語を発表した。いろいろ考える人がいるものだ。今年の最優秀作品は「医師奮診」。獅子奮迅のもじりだそう。ほお。

当ブログの関心である地方モノもある。入賞作品のひとつが「注目知事」。まんまやんと思ったら、注目記事のもじりなのね。確かに注目度は高かった。

大阪から「吉松阪決」。起承転結をもじり都構想頓挫をうたった。万博ロゴマーク「いのち輝きくん」決定を受け「命輝燦然」。ツウな14歳の投稿だ。

もうひとつ千葉から「千産地層」。これはうまい。チバニアン!こういう地方発のニュースがもっとあってほしかったなあ。

個人的には「押印の乱」が最優秀作品。五感といい、意味合いといい。自分でもいろいろ考えたが、思いつかず。漢字一字と違う難しさ。スイマセン。

読書感想文「コロナ危機の政治」②

さて、もう一つの問題。コロナで政府の対応にキレがなかったのは、自民党のせいではないだろうか。現場の課題を吸い上げる力が弱かった。

コロナ対応に伴う首相のミスで、政策的に大きかったのは給付金だろう。岸田政調会長に花を持たせようとした、あれだ。

ひっくり返したのは二階幹事長であり、公明党。恐らく公明党は地域の支持基盤がしっかりしている。そこからの情報が「一律配布」だったのだろう。

公明党は有権者の思いを汲み取る仕組みが機能していた。正しいかは別として、何をやれば国民が納得するか見えていた。

自民党はそこに確信があったか?民意より官僚とのすり合わせを重んじたところがなかったか。私が自民党のせいと言うゆえんだ。

官邸主導というが、何のことはない官僚優位。自民党の劣後である。党の提案が役に立たないのだから。

与党政治家は知事たちの後塵を拝した。誰もワイドショーに呼ばれない。面白くないし、現場がわかってないから。

竹中氏の書いていないことばかり書いたが、コロナでの政治の危機を言うなら、後手に回り続けた厚労省の不全、自民党の意見集約機能の劣化では。

とはいえ、時系列で丁寧な事象分析、地方の政策の評価は非常にためになる。頭の整理にもなるので、お薦めしたい。

読書感想文「コロナ危機の政治」①

竹中治堅氏の「コロナ危機の政治」(中公新書)を読んだ。副題が「安倍政権vs.知事」とあっては読まねばなるまい。

対立を煽るような内容ではなく、丁寧に起きたことを書き記す。クロニクルの体裁。冷静な筆致はとても好感を持てる。

官邸と知事の齟齬に焦点を当てたが、私自身が読みたいと思った問題意識とはズレた。確かに知事は首相の言うことを聞かなかったが。

齟齬が生じたのは、厚生労働省と自民党のせいではないか。厚労省はプロであるにも関わらず、果断かつ機敏に対処する姿勢を欠いたと思えてならない。

法律の順守に縛られ、現実への柔軟な対処が全くできなかった。だからこの本でも厚労省はあまり登場しない。

首相支配は官僚を使いこなすことで実を結ぶ。コロナでは力を出すべき厚労省が抵抗勢力になり、もしくは茫然自失となり、首相の役に立たなかった。

PCR活用や保健所の運用、検疫の強化、医療崩壊の回避、オンライン診療の導入、ワクチン開発。なに一つ主導的な力を出していない。

少なくともそう見える。ならば政治が右往左往するのも当たり前。首相もだめだったろうが、官の劣化が政の足を引っ張ったのではないか。

もう少し官邸内の力学に踏み込んでほしかった。こんな事態は初めてなんだから、官邸内で決めず、現場の意思を汲み、的確と思われる手を打つべき。

上から目線の強攻策はなんにもならない。だから地方の知事の存在が際立った。現場を持つ政治家の発言に意味があり、それが有効打になった。

官邸・政府はもっときめ細かく知事と話をしないといけなかった。空中戦で批判しあってもだめ。これは分権のせいという話ではない。政治の稚拙さだ。

問題は政府内の一体感のなさにあり、見えぬ政府に都道府県が困って、必要な手を自ら打つべく動いたということではなかったのではないだろうか。
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日本人の7割が「50年排出ゼロ」

環境省が面白い全国地図を作っている。「2050年 二酸化炭素排出実質ゼロ表明自治体」。12月半ば時点で197の自治体が表明済み。

あんまり多くないなと思ったが、表明自治体人口となると、9000万人を超すのだという。総人口の7割。おっと、結構浸透しているではないか。

都道府県は28。こんなの早く宣言してもらいたいところ。全く表明自治体がないのは青森、秋田、山口、沖縄ぐらいだろうか。

対策の独自色で競ってもらいたいが、洋上風力や水素活用などの大掛かりなものがある一方、やはり地方は森林・バイオマスのフル活用が目につくか。

環境省は排出の動向がひと目でわかる「カルテ」なるものも作っているようだ。ぜひ多くの自治体の意識を高めてもらいたい。

環境はもはやスローガンにとどまらず、成果を上げるべき政策として取り組む必要がある。熱波もドカ雪も気候変動と無縁ではなかろう。

地方発でとんでもないノーベル賞級の技術が生まれたり、この発電技術といえばこことブランド化されたり、環境対策の副産物に期待したい。
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