自治体のツボ

地方分権ってどうでもいいことなんでしょうか

地方自治・地方行財政・地方創生…地方のあれこれを取り上げます

2021年01月

オードリー・タン氏に学ぼう

コロナ対応で世界の注目を集めた台湾。デジタル行政を率いるオードリー・タンさんという若き閣僚の存在感がひときわ光る。

ちょっと本読んでみようと思って手にとったのが「デジタルとAIの未来を語る」(プレジデント社)。面白かった。発想に無理がない。

このブログにも大いに関係していた。タンさんは都市も重視しているが、地方の生活をどうデジタルで支えるかに関心を持っている。

台湾は5Gの展開を地方から進めているそうだ。ネット環境が良くないからこそ当然という姿勢。教育の不公平感解消などに役立つとみる。

日本だと効率が気になるかもしれない。すぐ予算ばらまいて、同じことをしようとするから。台湾はそういう心配はないのだろうか。

タンさんは公共の利益を追求してきたと書く。みんなのためになることをうまくやれるのがデジタルと位置づけ、若い人もそこに引き込む。

日本だと若者が白けてしまうところだが、その力を活かして社会を変革する活力に変えていこうとしている。日本の若者が叱咤され励まされている。。。

日本の地方創生やRESASにも注目しているのだという。成功例と失敗例からも学べると言われると、だいぶこそばゆい。

この本は若い人に読んでほしいし、政策を作る公務員にも見てほしい。デジタルが持つ、行政、政治、社会を変える力。刺激を受けるはずだ。
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東京都「7兆円予算」の行間を読む

東京都が来年度当初予算案を発表した。コロナ禍であり、コロナ対策と経済再生に力点を置く内容になった。歳出規模は過去2番目の大きさになった。

▶コロナに翻弄
メガロポリスゆえやむを得ないが、コロナに振り回されている。税収は4千億円も消失。歳出もコロナ対策を積み増せるだけ積んだようである。国の予算と一緒で、コロナと銘打てば、何でも計上が認められるという便乗予算はないか。医療関係は補正予算に盛るとのこと。無駄遣いの恐れはあるものの、コロナとの戦いを前に文句もつけにくい。

▶歳出の個性欠く
たぶんコロナなかりせば、子育て、災害、国際金融都市、脱炭素、スマート都市なんか、独自色をさかんにアピールできたのだろうが、コロナの影にかすみがち。こんな歳出考えたのかとか、これは小池都政らしい、なんて唸らせる要素が乏しく感じた。ニューディール、というのも、大事ではあろうが、膨張財政の危険な香りがする。

▶もはや五輪は……
「予算まるわかりブック」をみると、五輪予算はなんと6番目にやっと登場する。こんなところに力を入れてる場合じゃないということか。理解できるが、それならやめる?とも言いたくなる。7千億円もつぎ込んでいる。安倍政権、猪瀬都政の負の遺産になりはしないか。もともと21年度は五輪も終わっていたはずだったから、無理もないが、人目につきにくくしていないか。

▶規律は緩んだか
財政健全化の試みがないわけではない。事業評価で1110億円捻出はアピールポイント。過去最大という。とはいうものの、予算規模に比べるとあまりに小さい。他自治体より健全だと言っていられるうちはよいが、税収が細る、市場の目も厳しさを増すとなれば、財源調達には暗雲が垂れ込める。基金取り崩しというのは危うい道。規律維持アピールももっとほしい。

国と一緒で、公共投資じゃんじゃか、という予算案。威勢良く振る舞うことが必要な時期とはいえるのだが、コロナ下の事業休止、サービスの棚上げ、重点項目の絞り込みがもっと見えたほうがよかったかな。平時ではないから、あんまり文句ばかりつけても仕方がないのだが、刹那的な大盤振る舞いに見えなくもない。
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おたくの副知事はちゃんと働いてますか

副市長のニュースを集めたら、今度は副知事の話題も集めたくなった。すると日本海側でおもしろい話があった。

富山県の新田知事が副知事の数を1人から3人に増やそうとしているのだそうだ。うち1人は女性にしたいと。まずは2人からになりそうだが、よい試み。

一方、新潟県は昨年夏、3人から2人に減らした。官僚の受け入れをやめたそう。知事も国交省出身だから官僚ばかりになってしまうのを案じたのか。

いま東京と愛知には4人の副知事がいるそうだ。大都市は3人。地方自治法は1人置けるとし、条例があれば複数起用が可能となっている。

知事の代行だからそれなりに必要だろう。ただ県庁職員の名誉職になってはいけない。天下りポストというのもよくない。

それなりに働いてもらわないと。性別に関係なく成果を出してほしい。仕事ぶりで目を引くのは東京の宮坂副知事ぐらいだろうか。

外の活力を活かすなら、必ずしも副知事起用が全てではない。が、座ってるだけなら1人で十分。知事の特命を担うなら複数いてもいいだろう。

知事にやりたい仕事があって、そのためのポストであるべきだろう。都道府県が政策で個性を出すポイントになるといい。
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副市長ニュースファイル

最近何かと副市長が話題になっている。いくつか見かけたニュースをまとめてみたい。助役からの名称変更は奏功しているのだろうか。

▶厚木副市長、登庁中に急逝
この方のことは知らなかったが、神奈川新聞を見ると、役所の中で相当慕われていたようだ。まちの振興に一役買っていたそう。新型コロナで多忙だったという。ご冥福をお祈りしたい。

▶安芸高田市の副市長公募に2500人超応募
これはすごい。エン・ジャパンの関与が浸透してきたのか。何かと話題の同市。こんな集まっただけでもやった価値があった。選ぶ人物でまた話題になろう。どんな仕事をやらせるのか。

▶掛川市副市長が避難の重要性アピール
これは時事通信の報道。内閣府職員が陸前高田市の副市長を努め、いま地元の掛川市で副市長に就いている。震災時の避難の重要性を呼びかけているという。いくつも副市長を担うのは珍しい。

▶郡山市がワクチン専任チームを編成
自治体にはなかなか重荷のワクチン接種。郡山市は専任チームをつくり、その本部長に副市長が就いた。こういう起用は制度の趣旨にあっていますね。その指揮は重要。奮闘に期待。

▶長崎市と佐伯市で副市長がコロナ感染
これは致し方ないが、幹部の感染は注意がいる。市長らに感染が伝播していないか。役所が機能停止になることはないか。改めて市幹部の感染防止の重要性を訴えたい。

▶高島市長選、現職と元副市長の一騎打ちに
31日投開票の高島市長選は副市長が絡む構図に。確かに副市長といえば、次を狙う位置につけている。6月の千葉市長選では現職に仕えた副市長が名乗りを挙げた。

▶那覇市で副市長案が廃案に
ちょっと前だが、那覇市議会は副市長選任を巡り空転した。女性市長が女性市議を引っ張りだそうとしたら、待ったが。後継含みなど、市長と議会の間で様々な神経戦が展開されたもよう。

▶日南市副市長が官製談合の疑いで逮捕
道路改良工事を巡り談合の疑いが発覚した。副市長は建設課長経験者とある。業者とのもたれ合いがあったのか。真相究明が待たれる。

▶大野市副市長、飲酒後の運転で事故
こちらも不祥事。カーブミラーに衝突したという。退職願を出し、退職手当も辞退した。結局解職に。会社もそうだが、上の人はあんまりハンドルを握らないほうがよい。

と、結構、様々なニュースがある。それだけ注目された存在だということだ。仕事で目立って、市民のために活躍してほしいものである。
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東京五輪判定会議の設置について

そろそろ東京五輪についてどう考えるか、日本人一人ひとりが意見を持ったほうがいい頃だろう。国が決める前にある程度の国民合意がほしい。

英タイムズが先週、与党議員の声として、日本が中止を決めたと報じた。小池都知事は抗議せよと憤ったが、何となくうやむやになった。

コロナが長引き、変異種の恐ろしさも取り沙汰される中で、果たして挙行できるのか。誰しもが思うことだろう。

元柔道選手の山口香さんは3月上旬の判断が望ましく、今度はやるかやらないかの選択と毎日新聞に語った。納得できる発言だったと思う。

フロリダ州が代替開催の地として名乗りを挙げたとも聞くが、個人的には東京五輪、無理だと思う。根拠はないけど。

ただダマテンの政府に突如判断を下されるのは違うと思う。国民投票しろとは言わないが、官邸独断で開催か中止を決めてほしくはない。

そういうのは政治主導とはいわない。各種世論調査、有識者や野党の意見、準備の実状、各国の意向を見極め、判定会議でも作って結論を出すべきだ。

どっち転んでも曖昧な政治主導はイヤだ。「わたくしの責任において、開催することを決めました」。なんて総理に突如会見してほしくない。

国民合意を演出し、話し合いを丁寧かつオープンに進めることで、納得感ある結論を導き出すべき。「さすが日本」と世界に言わせたい。

もうそろそろそういう作業に取り掛かってもいいのではないか。英知を集めた、説得力のある判断を民主主義的に決めたと示したいところである。

「IOCが決めるべき」と言って丸投げするのもアリだ。それも無責任ではない。決めたのはIOCなんだから。そろそろそこも言い出す時期では。

五輪の判断を曖昧に下してはいけない。きちっとした結論を出す。それが国民のためであり、スポーツにかけている人のためではないか。そろそろ。
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紆余曲折を経た知事選で得るもの

24日、山形・岐阜の両県で知事選があった。地方自治業界ではかなり注目されていたことだろう。当方も多大な関心をもって見つめていた。山形は現職が4選を果たし、岐阜も現職の5選という結果に。ともに現職が多選を果たした格好だが、やすやす勝利というわけではないだろう。

特に岐阜県はこれからの関係修復、けっこう大変だろう。地元は55年ぶりという保守分裂選に揺れた。事前に防げなかった野田聖子氏は現職勝利を多としつつ、県連会長辞任の方針を明らかにした。知事自身がふんぞり返ることなく、丁寧に与党と調整していかないと、混乱は続くのではないか。

山形も当初は現職の意向を巡りギクシャクした。どうも国会議員の地元を統べる力が落ちているように思えてならない。にらみを利かせて「黙っとけ」は息が詰まるが、かといって収拾がつかないほどの混乱も考え物。政治だから力の強い者が勝つのは当然。調整や話し合いなんてもとより効かない。

だが、政治家の力が弱まって低位で拮抗していれば、混乱の影響は大きくなる。最近の知事選で構図が錯綜している一因に国会議員の力の低下があるように思えてならない。やりたい人は手を挙げやすくなるし、誰が勝ってもおかしくないとなる。国会議員は自分のことばかり考えがちだし。

ただ収支は悪くないと思う。混乱の選挙戦>無風の選挙戦。となるのでは。有権者が考えるという点では岐阜の迷走も悪いことではない。岐阜県の投票率は前回から11ポイント上げて48%になった。対立や調整の失敗をばかだなぁと思わず、よおく県の将来を考えて投票所に行く。そういう効果はあった。

山形は前回12年より2ポイント下げたが62%。NHKによると「全国で初めて女性同士の争いとなった知事選挙」と説明していた。なるほど。これも選挙戦になったが故の思わぬ副産物だろう。家事よりも行政の舵、と考える女性が増えれば、そんな頼もしいことはない。

この週末は結構雪が降るのではと言われていた。コロナ禍の最中でもある。それなのに、知事選の投票率が悪くなかったのは、選挙への関心、県政の行方への関心がコロナと寒さに勝ったことになる。両県の知事選に至るまでの足取り、投票結果。他県もよく注視し、分析したほうがいいだろう。
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水道料金、一斉値上げのススメ

最近、水道料金に関する記事をいくつか目にした。このご時世に値上げするのかとか、こんな状況なので値下げしたとか。

要は料金設定にどこの自治体も苦慮している。人口減で今まで作ったインフラが重荷になり、この先も厳しい。コロナもある。さて、というところ。

ここでは、一斉値上げを提案したい。一律料金にする必要はないが、みんなで渡ろう式に値上げ容認運動をしてはどうか。

増税は財源がどこに使われるかわからない。受益者負担に基づく公共料金ならば、上げてもいいのではないか。

巣ごもりの浸透で家庭での水道使用は増えていることだろう。安全安心な上下水道を守るコストは利用者で負担するのがいい。節約意識も高まる。

まずは広域化とかリストラ、民営化といった立て直しをやってから。売れる水があるならそこも。持続可能性を高めたうえで、値上げ。

いまこういう状況、これからこうなる、料金上げで収支はこう。そういうところをきちっと説明して上げる。

経営努力があって、値上げしても自治体間の料金格差が残るなら、安い自治体はむしろ多くの住民に選ばれる。水のまちをアピールできよう。

菅政権は個人の家計負担引き下げに躍起だ。携帯やNHKは理解できるが、逆張りでコスト増運動もやれば、政策への信頼感、もっと高まるのでは。

何でもかんでも負担はだめというのはいかがか。安易な値上げもご法度だが、人口減に即した、説明責任を果たす行政が求められる。
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日本のバイデン、山都町を猛アピール

早速、バイデン政権にクリンチ! 熊本県山都町が梅田穰町長を前面に押し出して、大統領就任おめでとう&町ちゃっかりアピール動画を公開した。

町長はなんとも純朴で、SNSがうまく言えなかったりするが、この人がいなければ町のアピールもできなかったわけで。貴重な資産である。

冒頭は世界地図を使って米ワシントンと山都町の位置関係を明示。町長発言には英訳も入れた。そして町のあれこれをダイナミックに紹介。

阿蘇外輪山の滝は空撮がすごい。有機農業に挑戦する農家が全国トップクラスの数なんだという。前にも書いたが、文楽も盛んなようだ。

日本の地方はホントに自然が豊かで美しい。コロナであちこち出回れないのが、とっても残念。わずか3分だが、そんな気持ちも癒やしてもらえる。

You Tubeで簡単に見られます。私が見たときは視聴回数が1000回に届いていなかったが、ぜひ多くの人に見てほしい。こういう便乗は歓迎です。
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トランプ氏と州知事の異常な関係

トランプ氏が表舞台からひとまず退場した。悉く世界の常識をひっくり返した大統領だった。この4年間をどう総括するか、様々な論評があろう。

当ブログの関心でいうと、大統領と首長の異常な関係だろうか。この1年、トランプ氏は党派の違う知事たちを散々にこき下ろした。

クオモNY州知事とはコロナ対応を巡り度々衝突、批判合戦を繰り広げた。ミシガンやバージニアでは州知事の拉致を計画したグループを煽った。

見境がない。党派が違えば、主張も違う。大統領選を睨んだ攻防とはいえ、行き過ぎ。最後は暴力を煽るようなレベルにまで至った。これでは次はない。

日本にだって沖縄と政府のようにギクシャクした関係はある。しかし、暴力で動かすというところまでいくもんだろうか。ないと信じたい。

バイデン政権はどうか。米民主党は医療や環境など内政にもう少し関心がありそう。トランプ政権のような一国主義でない、内向き思考が大事だ。

米国の政権交代は日本の地方にどんな効果をもたらすのだろう。関係するのは梅田穰町長ばかりではなかろう。これからも折りに触れ考えていきたい。
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首長の体調不良を案じる

大ファンの中村吉右衛門が1月の歌舞伎座公演を病気休演している。本当に心配だ。今月、一回だけ見られたが、具合悪そうだった。早期快癒を願う。

さて、新型コロナ禍にあって、政治家や首長の体調も非常に心配である。福岡県知事は肺の病気で再入院。横浜市長は帯状疱疹だそうだ。お大事に。

東金市長はコロナに感染したという。首長の感染も増えてきたが、これは気をつけていてもかかる。が、相当気をつけないといけない。

菅首相の咳が止まらないという週刊誌報道もあったが、日本人は昨年、総理の病気辞任を目にした。しっかり休んで気張ってほしいものだ。

とはいえ、首長も目を離すと公用車で別宅に行ったり、サウナを庁舎に持ち込んだり。公私はきちっと分けてもらわねばならない。

首長らトップの体調管理は自治体の重要な仕事である。危機管理である。働かせて放置してはいけない。大人数会食は引き留めるべし。

コロナや強烈な寒さに覆われる日本列島。トップを疲弊させてはならない。元気すぎて面倒な上司もいるが。皆様も体調には気をつけられますよう。
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