自治体のツボ

地方分権ってどうでもいいことなんでしょうか

地方自治・地方行財政・地方創生…地方のあれこれを取り上げます

2021年03月

点検春条例⑦富里はすいかの名産地

対立色の強い今年の地方議会。ここでほのぼのとした条例をひとつ。富里市が作ったすいか条例。生産者を守り特産品をアピールする狙いだ。

ホームページには成長のプロセスを紹介する「富里すいか日記」がある。これが面白い。すいかってこうやって育てるんだ。学んだ。

高齢化で生産者も減少。手間のいる作業だから、後継者育成は大変だ。かつて皇室にも献上していたそうだから、条例を機に盛り上がって。

すいかの名産地という童謡があったが、国内生産は熊本県と千葉県が激しく競り合っている。すいかもまた輸出が少ない。頑張ってほしい。

さて、こういう地元の特産品にまつわる条例、ほかにあるかな。日本酒や焼酎、ワインは乾杯条例がある。

青森県板柳町はりんごまるかじり条例。まるかじりの普及に努めるのが町民の責務だ。カゴメ発祥の東海市はトマトで健康づくり条例を持つ。

ネットで調べた感じだと、きゅうり条例やかぼちゃ条例、なす条例はなさそう。どこかの農業県で作ってみてはどうですか。
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点検春条例⑥こどもを政局にするなよ

東京都議会の委員会が深夜4時までもめたそうだ。案件はこども基本条例。せっかくいいことやってるのに、あ~ぁという感じ。

東京新聞が深夜協議のがっかり感を丁寧に伝えていた。子ども条例で子供のようなけんかしてどうする?

日経新聞が指摘していたが、議員提案をもとに議員の論戦で条例を作る作業こそ、議会活性化にほかならない。なのになぜ政局にしてんの?

今回、多くの議員のブログや意見表明を読んだが、個々の議員は子供の権利を守るために丁寧に努力している様子がうかがえた。

だが、政党間となると思惑が交錯し、なかなかまとまらない。もめる。無意味だわ。地方は党派に関係なく活動したほうが、政策論議深まるのでは。

政党には政策集団としての意義があるが、議席争いの道具になるのならいらない。子供そっちのけの醜い言い争いなんか見たくないわ。

全会一致となったのは、まあよかった。しかし、深夜まで揉めている都議なんて仕事に魅力を感じる人はいるのだろうか。

一方で付き合わされる都職員の悲哀も報じられていたが、被害者然としているのはややおかしい。子供の権利保護はもっと早くにやっておくべき話。

都も傍観者でなく、がっつり議論にかかわっている印象を出すべきだったのではないか。都と都議がしっかり議論して作り上げたという方が意義深い。

地方議員は自治体の足らざるを補い、行き過ぎを戒める存在であってほしい。そして政策で目立ってほしい。切に願うものである。
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点検春条例⑤リコールに揺れる愛知県内

愛知県でもう一つのリコール運動が勃発している。人口3千万人の東栄町だ。町立病院の機能見直しを巡って意見が対立している。

しかし、問題は愛知県知事のリコール騒動を持ち出してきて、町長後援会が反対派にあなたも騙されて署名してませんかと問うているところにある。

こんなのはおかしい。人工透析や救急医療をやめるかどうかが争点になっているようだが、財政上の問題等々あれば、ちゃんと説明してやめればいい。

こんな突き崩し方、よくない。やましいところがあるのではないか。悪い冗談のようで、全くほめられた対応ではない。

反対派住民は一層反発する。しかも、感情的なしこりまで生む。きちんと議論して白黒つければいいのに。

住民に寄り添う気持ちがあれば、こんなチラシで反撃するようなことはしない。丁寧に善後策をまとめて、少しでも住民に配慮するのが筋だ。

町役場はどういうつもりなんだろう。町長に全部任せて、成り行きを静観ということなのか。議論の発端が調べきれないのだが、職員の意見も聞きたい。

こういう地域で医療サービスを縮小すれば、住民は困るだろう。だからこそ徹底的な議論が必要。首長も役場もそこを安易に考えてはいけない。

直接請求による条例改正は実らず、リコールに発展するという。住民軽視の姿勢が対立を根深くしているのではないだろうか。

たがら、あんなひどいリコール署名のような前例を作ってはいけないのだ。あんなことするから、こんな悪用例が出てくるのだ。
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点検春条例④大阪府市は劇的改善するのか

どうも最初からよくわからない大阪の府市一元化条例。結局、公明党の修正に応じた維新の譲歩で成立するのだという。

もう少しよく研究したいが、公明は知事と市長を対等に扱うという点を主張し、認められたので賛成に回るという。

知事と市長が最初から対等になっていないというところに、この議論のおかしさがある。分権推進なのか、大阪市のパワーダウンを狙っているのか。

そもそも市の権限が府に移るというのは、基礎的自治体に仕事を委ねるという分権の趣旨とは逆行するのではないかと思う。

広域業務は府が担うべしとするなら、もっと仕事の吟味・仕分けをしないと。当初の移譲業務数も縮小されたようだが、やる必要が感じられない。

なんだか成果だけを欲したことになっていないか。都道府県と政令市の仕事を見直すのは賛成だが、政局にされては困る。

大阪市をなくすなというのが民意だったはず。権限を府が奪ってよしとするなんてありえない。結局は大阪市を弱くするだけでは。

4月1日から、大阪市と大阪府の連携がさらに良くなり、効率的な行政がみられるのだろうか。あんまり変わらないと思う。
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震災10年⑥NHK「震災と未来展」

ようやく「震災と未来展」に行くことができた。お台場、ちょっと遠いのよね。科学未来館。NHKが工夫を凝らした展覧会。10年を画するにふさわしい。

最も良かったのは、避難所再現コーナー。段ボールの壁に毛布の絨毯。とんでもなく寒そうだ。女性は着替えたくないとあった。さもありなん。

避難所暮らしの厳しさというのは、被災してみないとわからないが、覚悟しておく必要がある。普段から改善案があれば出してほしい。

熊本や福島の最近の地震では、距離をあけたり、テントを使ったり、かなりの工夫が凝らされている。心得ておかねば。

もう一つは「つくってみよう」のコーナー。新聞で作るスリッパ、段ボールとビニール袋で作るトイレ。新聞紙とレジ袋というのは役に立つ。

映像はもちろんド迫力。車を運び去る津波の威力。一方で羽生くんの花は咲くの美しさ。映像には記録する力も癒す力もある。さすがNHK。

未来への対応のほうが印象に残った。被災地の報道はだいぶみたからかな。映像が生々しいので、被災者には訪れにくい内容かもしれない。

家族を失った被災者がその人にメッセージを送るコーナーもぐっと来たなあ。まさかあの日常が崩れるとは。日々を大切にしないと。

最後にアンケートに答えたら「こういうイベントをやるなら受信料払うのもいい」といった設問が。ちょっとそれとこれとは、と思ったが○にしといた。

今月は忙しくて被災地にも関連イベントにも行けなかった。いまの宮城県のコロナ禍をみると、震災10年の移動が影響したかと思ってしまうが。

スカイツリーの宮城県パネル展示だけは行ったが。NHK受信料のおかげでこれだけの展示を見られたのは良かった。この週末で終わり。ぜひどうぞ。
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点検春条例③核抜き条例の物悲しさ

北海道では核のゴミ処分場建設を巡り、核の持ち込みを拒否する核抜き条例ができた。寿都、神恵内への反発が背景にある。

作ったのは昨年末の島牧村が第一号で、今年は積丹町と黒松内町で成立。蘭越町でも請願が出ているそうだ。風評被害を回避せんと必死だ。

こりゃたまらんと始まった抑止運動、着々と包囲網ができている印象だ。しかし、これで寿都と神恵内が判断を変えるようには見えない。

地図を眺めると、神恵内と寿都の間には泊がある。突如降って湧いた話でなく、長年、原発と向き合ってきた地域なのだということがわかる。

もうひとつ見えるのは、公示地価で善戦したニセコ・倶知安との近さ。いま後志は原発で生きるか、観光で生きるかの瀬戸際にいる、ということか。

どこも引けない、という構図。やりたい、やるな、では平行線だろう。互いに議会の議論を経た意思を前面に出しても折り合うのは難しそうだ。

この地域をどういう形で発展させるのか。そこの肝心なところで道を含めた議論が薄かったことが、分断を招いているような気がしてならない。

そして未だに国は傍観している。これでは当座のお金だけ渡して、全て先送りといっているようなものだ。判断するのは私らではない、ということか。

反対する方も虚しい。推進する方も半信半疑。地域をこんな哀しい状態に追い込んで胸が痛む。が、なすすべがない。
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点検春条例②性多様性の啓発に挑む

3月は議会の季節。色々な独自条例が出てきて楽しい。さて、今年はどうか。ひとつのキーワードが性の多様性だ。

三重県がアウティング禁止条例を全会一致で可決した。浦添市もアウティング禁止とパートナーシップ制度導入を盛った条例を全会一致で可決した。

ともに趣旨が理解され、全会一致での可決にこぎつけたのが立派だと思う。こうした先導自治体の対応をみて、追随する動きが広がればと思う。

性の多様性は自分が当事者でない限り、深いところで問題点を理解できないし、差別された経験も持てない。自分もわかってないと思う。

だからといって無知で無関心でいていいわけがない。誤解していてはいけない。少数者を切り捨ててよい社会になるわけがない。

そう考えれば、自治体と議会がこれはよくないことだから、よく考えようとアピールするのは大切だ。せめて頭で考えようよと。

男女同権も少なくとも頭で理解するぐらいのことができていないから、いつまでたってもヘンテコな発言が出てくる。

理解できていないから間違いも起こる。間違った人にももっとよく考えよう、しっかり受け止めようと、周囲からよい圧力をかけることも大事だ。

五輪の女性蔑視、日テレのアイヌ差別、五輪のタレント揶揄。こういうのはお詫びや抹殺で済まさず、学び直しの機会を作ってほしい。

自治体には条例を作ったあともさらなる踏ん張りを期待したい。分断を防ぐ柔らかな誘導と、無知と誤解をなくすしつこい啓発。頑張ってほしい。
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地価に見る地方中核都市の存在感

公示地価が発表になった。6年ぶりの下落ということだが、コロナでこれだけ人がいなくなれば、土地取引も停滞しよう。

さて、都道府県別の変動率を眺めた。大都市の失速ぶりは鮮明だが、商業地は23県、住宅地は24県が昨年と続けてマイナスだった。ちょうど半分。

回復基調にあったといっても、都市部が全体を底上げし、多くは弱いまんまだったのだろう。訪日客というつっかえ棒がなくなったら、全部沈んだと。

2年連続プラスは商業地が8道県、住宅地が9道県。商業地も住宅地も2年連続でプラスは、北海道、宮城、千葉、福岡、佐賀、熊本、沖縄。九州勢健闘。

札幌、仙台、福岡を中心にした経済圏ができているということだろうか。千葉も東京のおかげだろう。なるほど中核都市は重要だ。

地価からみると、地方の経済力はやはり二極化しているといえそうだ。景気の影響を受けやすい都市に対し、なかなか浮上しない地方。

浮上しない地方は自力のある拠点都市を作って、そこを中心に広く恩恵が行き渡る仕組みを整えないとだめなんだろう。
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こんな政見放送ならいらない

千葉県知事選は前千葉市長の圧勝に終わった。自民党がもともともたついていたし、政令市長として存在感もあったし。

しかも、千葉市長選は新知事の部下だった副市長が就任。こんな県と市をまたいでツートップが仕切るなんて。意思疎通は良くなるのかも。期待しよう。

さて、今回の選挙、政見放送が非常に気になった。都知事に求婚したり、白塗りで出演したり。もう政見放送はやめたらどうか。

近年の政見放送はパフォーマンス合戦ではないか。これまでの各政党の放送には工夫がなかったわけだが、だからといって視聴率上がれば、ではない。

もちろん有権者の考える材料になり、それで投票しに行くというなら良い。となると、いまの政見放送はアリとなってしまうのか。関心は高めている。

が、やはり不真面目に映る。供託金没収されてもいいと言われても。あまり心地よいものでもない。報道が盛んになってから、見ないようにした。

そんな有権者を生んでいるとしたら、嘆かわしい。高齢者は眉をひそめたろう。世代間ギャップも引き起こしそうだ。

県職員もこの人の下で働くことになったら、と思ったのではないか。有権者の選んだ人に仕えるのが仕事だが、そりゃ働きがいのある人がいいだろう。

選挙に関心を持ってほしい。が、政策を語らずにパフォーマンスを見せるというのは願い下げ。千葉県知事選は深い分析と検証が必要だと思う。
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東京都予算、張り子の虎に

東京都広報の3月号、今ごろ読みました。トップ面で知事が言及したのは来年度予算案。厳しいなかで、使命を確実に果たすと決意表明。

それはよいが、ちょっと大丈夫感を出しすぎではないか。基金を取り崩し、借金もして、コロナ対応してきたのは周知のことだ。

コロナ対応は2兆円規模の補正予算で手当てしたという。東京都だったからできたといえるが、税収が減る中で、先々は安泰とは言えない。

誰もがわかっていることだから、むしろ財政への不安や懸念もきちんと都民に説明したほうがよかったのではないか。虚勢を張っているように見える。

「新規事業は過去最高の430」とうたうが、どこに注力したのか。五輪は後景に下がったし、「非ガソリン化元年」とアピールするゼロエミも新味はない。

都民のアイデアを予算化したとのことで、オンラインの介護予防や都立スポーツ施設の映像配信などもやるそう。ふうむ。

総花になるのは仕方がないが、なんで一般会計が7兆円と過去2番目の規模に膨らんだのかよくわからない。使い方から独自色が見えてこない。

財政総額は15兆円にもなる産業。ちゃんとお金を使ってほしいが、散財することだけが使命ではないだろう。財政規律を守るのも使命のはずだ

いままであった潤沢な税収が戻るかは微妙。コロナの成り行きにあわせて機動的に対応するには知恵がいる。五輪も財政的には危うい情勢にある。

都には身の丈を意識した、冷徹な目線で予算を作ってほしかった。頑張ります一辺倒でなくてよかった。そのほうが信頼されると思う。
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