さて、平成から令和へと改元された1年が終わろうとしている。今年を振り返る各メディアの記事は代替わり一色でもないようだが、当ブログでも、きょうとあした、地方の動きに絞って2019年を振り返ることにしたい。きょうは都道府県の知事に目をむけてみよう。

どうも今年は謝罪に追い込まれたり、釈明に追われる知事が多かった印象である。思いつくだけでもいくつか。台風対応で猛烈に批判された千葉県知事、「令和おじさん」呼ばわりとデータ流出で神奈川県知事、県事業者との会食が問われた沖縄県知事。。。

「やめちまえ」というほどのスキャンダルではないのかもしれないが、なんとなく判断の悪さというか、政治センスのなさというか、間の悪さというか、もうちょっと襟を正してほしいという気持ちを持たれてしまうケースが多かったように思われる。ちょっと残念、というような。

もうひとり、愛知県知事。豚コレラとかリニア新幹線とか他県との連携が必要な政策にも取り組んだが、なんといっても「あいちトリエンナーレ」。展示一時中止判断は理解できるにしても、名古屋市長との口争が激化したり、会見での強気な姿勢がたたって炎上したり、知事の思惑通りに世論がついてこなかった。結果的に批判を一身に浴びたのは気の毒だが、どうも腑に落ちない感じがぬぐえなかった。

こういう姿が目立ってしまうのは、政策面での光が乏しいからではないだろうか。都道府県の仕事で光ったのは、大阪都構想、宮城県の水道民営化、北海道のIR断念。。。いずれも反対論も多いので、光ったというより目立った、か。軋轢のある政策に取り組むだけでエライ、というのはさびしい。いまの都道府県には物議を醸しても政策で地域を動かそうという空気が薄い印象である。

今年は統一地方選もあったが、いまの47知事のうち1期目は14人。全体の3割を占める。政策面で光が乏しいのは、経験の浅さゆえか。いや、脂ののったころ合いと思われる3期目15人、最大のボリューム層でもとがった政策が出てきていない感じだ。高齢でも構わないが、全国向けに正しいニュースを発信してもらいたいところである。

知事といえば、鷹揚に構えて観光振興をアピールというのが、通り相場だった。かっこよく映るのは、国を批判するときぐらいか。悪いことで目立っても仕方がないけれど、座りのいいひと、政治センスのないひとばかり選んでいると、いずれその知事ごと県は沈没する。かもしれない。
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