通常国会が開会した。首相の施政方針演説。なんだか冴えないというのが、新聞やテレビの評価だろうか。ツッコミが足らないというか、触れるべきことに触れていない点が問題視されているようだ。

ここでの関心は地方。目立ちました、地方移住の成功例。しかし、なぜ話題になったかというと、首相が挙げた島根県江津市の男性、すでに転居していたことが判明したから。移住じゃないじゃん。冴えない。目くじらたてても仕方ないが、冴えない。

江津市のコメントを各メディアが報道しているが、男性のエピを使うとの連絡はなかったとか。官邸は本人に直あたりしたのか。市は「入れるんだったらほかの材料出したのに」。はは。冴えない。

待てよ、これからは年末年始に官邸に応募すればいいんだ。「うちにはこんな地方創生エピありますよー」って。短冊にして、送ってみたらいかが。政府の政策のおかげでこんなことできましたって。

ただし、採用の可否はご連絡いたしません。当日のお楽しみ。すると、地方のヒトみんな演説をかぶりつきで聞くんではないか。おお、当選した!「総理、お取り上げ、ありがとう!」なんて。深夜ラジオの投稿ハガキ採用時の興奮が味わえるかも。

役所からの短冊の寄せ集めで作っていたころよりはいいんだろうが、官邸主導でつくれば、成果強調の自慢話になりがち。野党に突っ込まれないようにするから。国会優先で有権者軽視にもなる。

首相や首長は短くていいから自分で原稿を作ったらどうか。今国会・今議会ではこういう議論をしようと呼びかける。いいたいことだけ言えばいい。この人の関心はそこにあるのか、もしくはそこにしかないのか、ということがよくわかる。代表質問も型通りではなくなる。

ゴルフもいいけど、為政者が年のはじめに有権者へのメッセージを練る。いい風習ではないか。緊張感をもって仕事始めに臨める。メディアや野党に叩かれても痛くも痒くもないなら、今のままでいいけど。
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