源義経が登場する知事の記者会見というのも珍しい。いつもわりと淡々と話すイメージの知事であれば、なおのこと。岩手県の達増拓也知事の記者会見がだいぶニュースになっている。

県外ナンバーの車に嫌がらせをするケースが出ていることを問われ、知事は「他県の人である源義経を虐げた途端、奥州平泉が滅びた」と説いたのだという。岩手らしいエピで県民に冷静な対応を求めた。

一方で、この会見はもうひとつトピックがあった。知事は感染ゼロが続いていることで、県民が体調不良を言い出せなくなることを警戒。「第一号になった人を責めません。陽性は悪ではない」と語った。

さほどに特徴的な発言が2つもあると、記者も紹介に困るだろう。どちらを前に出すべきか。個人的には差別意識を戒める義経伝説に挙げたい。

それにしても、感染が広がる地域も大変な苦労を強いられるが、感染ゼロであっても異なった深い悩みを抱えるものである。

特に岩手はネットで揶揄されている。「人がいないから感染のしようがない」「医者もいない」などなど。ま、感染が広がらないのはいいことだが、岩手批判で留飲を下げるのはおかしい。

いまの岩手の悩みを一挙に解消するには感染者が複数人出ればいい。だが、そんなことはなんの解決策にもなりはしない。知事がいうように自然体で、危機に備える。それしかない。


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