地方制度調査会の専門小委が「2040年頃から逆算し顕在化する諸課題等に対応するために必要な地方行政体制のあり方に関する答申」をまとめた。

早速読んでみた。報道によると、ニュースの肝は総務省研究会が検討してきた「圏域」という考え方の導入を提言しなかった、ところにあるのだそうだ。

まずは圏域から。だいぶ地方6団体が反対していたようで、さすがに強行できなかったようだ。近隣の複数自治体の連携を促し、法的にその存在を位置づけようというものだ。

市町村からすれば、合併につながり、小規模自治体切り捨ての不安がある。一方で総務省や専門家の問題意識もわかる。人口減を放置すれば自治が行き届かなくなるところが出かねないということだろう。

双方の主張にそれぞれ理があって対立しているのだから、なかなか動かしようがない。国から無理に形を決めて当てはめようとしても、うまくいかないんじゃないか。

市町村合併には地方は応じた。国と危機感を共有すればこそだ。その経験あっての圏域だから、お仕着せの制度論には消極的にならざるを得ない。もう勘弁という感じではないか。たぶんこれ以上、圏域の議論を進めるのは難しいだろう。

ただ地方の小規模自治体がフルセットで全部の仕事を共通に担うのは無理だ。これからは緩やかに、県境も越え、町村の枠も越え、住民ありきで連携するようにしたほうがよい。

自治体は地理・人口・産業など現場の実情にあわせて群れる。スリム化もやる、国は地域ごとに考えた連携・協力の機運を育てていけばいいのではないか。圏域という考え方を生かすが、全国一律の強制はしない。

かつて郡という行政単位があった。いまもそのつながりを残す地域はある。法的に位置付けると郡復活
になりそうだが、総務省も法律にするという成果ばかり追う必要はないだろう。地域の実情に即した自治体連携を促す、ということでいいのではないか。