愛知県の大村知事が大阪府知事と場外バトルを展開中だ。コロナ対策を巡り、要は東京都と大阪府は医療崩壊したのに対し、愛知県は的確にコントロールしたと話し、大阪の怒りを買ったと。

大村知事が言うとおり、データに基づいて白黒つけてくれというほかないが、テレビ的ではある。政治バラエティで培った独自のセンスがこういうところて発揮されているのだろう。

対立をあおって、自陣の有利、正当性を主張する。これはトランプ大統領の手法とよく似ている。どうしてここまでというほど、自分にすべてを都合よく解釈する。一定数の支持も背景にあるから強い。

名古屋市長、静岡県知事、大阪府知事と次々に敵をつくり、打ち込んでいく大村知事。それを小気味よいと有権者が思うなら致し方あるまい。そもそも消毒液飲めみたいなことは言わないだろうし。

ここで指摘しておきたいのは、どうも矛先の向かう先が違うのではないかと。向けるべきは国でしょ、コロナでしょ。エネルギーは政策に注ぎ込んでくれ、と。テレビに映ったからよしではないはずだ。

さすが小池知事。こんな喧嘩は買わない。スルーすると、都政に専念しているように見えてくる。闘うべき相手が見えているのだろう。時々失敗するけど。口紅忘れたなんてスマートなテレビ政治だ。

知事同士、喧嘩するなら、空中戦でなく、どっかでしっかり膝を交えて政策論争を繰り広げてもらいたい。国のためになる言い争いをやってもらいたい。感情的なもつれは地方行政にはいらない。