さて、先日、フォーブスジャパンのこんなネット記事にひかれた。全米11都市がベーシックインカムの実験をするのだという。しかも、発起人は弱冠29歳の市長だというではないか。アメリカはなんだかんだ言って政治の機能がしっかりしてますな。

ベーシックインカムといえば、働かない怠け者を生む、遊び呆ける輩を生む、との批判が定番。もらう貧者をバカにしてないか?と思っている。もちろんラッキーと喜ぶ人もいよう。大半は生活のやりくりをなんとかしたい人では。

この発起人、カリフォルニア州ストックトンの市長だという。マイケル・タブス。まちの荒廃を止めたいと思い、18歳で市議になったそうだ。そして、自分の市でベーシックインカムの導入実験をした。利用者の多くは女性だったようだ。

調査によると、日用品や生活必需品の購入に充てる人が多く、中には義歯を買ったり、休んで夫の看病をしたりするのに使った人もいた。生活に余裕が出たことがプラスに寄与しているとか。なるほど、思いがけない効果を生むようだ。

個人的にベーシックインカムは、やる気はあるが、貧困から抜け出せない人のためになら、あっていいと感じる。みんなに配るとモラルハザードを起こす。特別定額給付金は日本でベーシックインカムが意味あるものとして機能するか、試金石になろう。

市役所が率先して社会問題解決の実証実験に乗り出すのが素晴らしい。民間の協力も得て進めているようだ。国が助けてくれない、自治体だけではできない、と言う前に、やれることはやってみる。この姿勢が大事だ。

そして、やってみれば、反響もある。やらないでウジウジするより、やって失敗したほうかどれだけましか。思わぬ効果や課題が見つかることもあるだろう。そういう生きた題材は、次に生きる。

タブスさん。いずれ大統領選に出てくるかもしれない。最年少市長というから驚く。よおく覚えておこう。それにしても、日本にもこういう軽いフットワークで社会実験を進める、貪欲な首長さん、いないかなあ。いなけりゃ、出てこい。
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