女川原発2号機が再稼働に向けて前進した。宮城県議会が同意に回り、知事も首長の意見を聞いた上で同意の判断を下すことにしているという。

あの地震と津波に耐えきった原発だから、再稼働してもよさそうだが、あの被災地の原発が動き出すということ自体が驚きだ。

何より地元の再稼働を待つ空気がすごい。町経済を動かしていくには不可欠ということなんだろう。寿都と置かれた状況は同じだ。

規制委の厳しい基準もクリアして、実際に稼働できたら、日本の原発への信頼性も高まる。東北電力にかかる責任は極めて重い。

東電が木で鼻をくくるような態度に終始した9年前、東北電は丁寧に説明していた印象がある。粘り強い東北人らしさなのかと思ったものだ。

原発に頼らないで済むならそれに越したことはない。だが、今はある程度はやるしかない。絞り込んだ原発を安全確実に動かす。

国も事業者、地元に預けっぱなしではだめだ。あの反省にたつなら、しっかりかかわる姿勢をみせろ。女川稼働の責任を共有せよ。誠意を示せ。

イチエフは映画にもなったが、実は女川の奮闘こそドラマだと思う。安全にやりきったんだから。東北の底力であったろう。

震災復興をも印象づけられる女川再稼働。東北にだけ責任を負わせるのでなく、日本全体で見守るべき問題である。
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