日刊スポーツは「島根のRUN」ときた。見出し、うまいもんだ。言うまでもなく知事の聖火リレー辞退発言に絡めた報道。乱ですな。

早速竹下議員が「注意する」と上から目線のご発言。そりが合わないのだろうが、ネットは賛成派で埋まっているから、また自民党は嫌われそう。

知事はろくにコロナ対策も取らないで、何が五輪だ!というところだろう。発言内容を見る限り、心情は理解できるし、正しい問題提起と思う。

国策への反旗も問題ない。東京都の対策の不備を指摘した点もよく言ったと思う。五輪は不安だらけだ。県民の安心のためにも必要な提起といえる。

が、大人のやり方だろうか。走る人たちの気持ちはどうなるのだろう。やめるというだけでは国や都の姿勢は変わらないだろう。むしろ硬化させた。

打ち出し方があるのではないか。県民を驚かせ、国民の眉を顰めさせ、賛成派と反対派の分断を煽っては、正しい意見表明とは言えないと思う。

知事発言も政治の一部だ。支援費少ない問題と絡めた政治利用と言われ、知事は反論したが、では持論を述べただけだったというのか。

自身の発言の背景には何らかの思惑があったはずであり、訴えるべきものがあったはず。それがないなら単なる感想。

自分の発言で国をどう動かすか。影響力も踏まえて発言しないと、政治家の問題発言にしかならない。動かすための発言にしないと。リレーは関係ない。

「リレー取りやめ辞さず」ではなく、「国と東京都のコロナ対策に問題あり。地方は不安だ」と言わなければいけなかった。それでも拍手喝采だった。

地方は黙ってついてこいと言わんばかりの政府・自民党の態度、これまた嘆かわしい。低姿勢に応じれば、国民の支持も得られたのに。また好機逸す。

とにかく五輪はぐっちゃぐちゃ。森氏発言から一連の人事も含め、国民の心は随分離れた。一部関係者のみのお祭りになった。嘆かわしいことだ。
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