芸術の冬。1月は2つの美術館に行った。ひとつは松濤美術館で彫刻家舟越桂氏の展覧会を拝見。もう一つは長谷川町子美術館。

実は松濤美術館が渋谷区立であることを初めて知った。展示もすごく感じるものがあったが、公立という事実にびっくり。ええ企画展でした。

そうか、都内にはいくつ区立美術館あるんだ? 豊島区のHPによると、10区。えっ、それしかないんだ。意外な少なさ。

板橋、渋谷(松濤)、練馬、世田谷、台東(朝倉彫塑館)、品川(0美術館)、目黒、大田(龍子記念館)、豊島(熊谷守一)、墨田(すみだ北斎)

なかなか公立でやっていくのは難しいのだろう。展示品を集めるのにお金かかるし、企画立案する学芸員の確保も至難であろう。

このなかでは世田谷美術館しか行ったことがなかったが、これはかなりいい美術館。ここまでの水準を保つのは大変だろう。

大田区は勝海舟や大森海苔の記念館があり、これは行ったことがある。郷土資料館になるともっと多そうだが、美術館の運営はそう簡単ではないだろう。

でも、ひとつあると、地域の子どもたちのためにもなりそう。入館料も安いから、高齢者らリピーターも作りやすそうだ。

宮城では昨年、県立美術館の移転案が浮上。建物の文化的な価値もあるため、県民から反対論が巻き起こり、結局、現地改修となった。

ここは何度か行ったが、住民に親しまれた存在だからこそ、そのままにという要望が多かったのだろう。地域に根付く理想的な美術館である。

意外に住民の心のシンボルだったりする。気安く行けて、かつその静謐さに心が落ち着く。松濤美術館で自治体の文化行政の重みを感じた。
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