環境債を発行する動きが広がっている。自治体も東京都、長野県、神奈川県がグリーンボンドを発行し、人気のよう。三重県も参入するという。

自治体が自らの必要に応じて、特定の使途に当てる資金を独自に調達するのはよいことだ。とりわけ環境は公共性を意識しやすく、理解も得やすい。

しかし、この「独自に」というところが曲者である。地方債は国の縛りが強い。自治体財政への責任を国が持つ以上は正しいのだが、自由度は狭まる。

地方交付税を受け取らない東京都は別格として、通常の自治体は国のお墨付きを得ないと自由に商品を企画発行できないだろう。

つまり環境債は、使いたくても使えないという自治体がほとんどではないかと思われる。市場公募分を少し環境色で染めるぐらいが関の山ではないか。

ミニ公募債がある。ところが、これもすっかり低調。一時は3千億円もあったのに、いまや100億円ほど。低金利で自治体は意欲をなくした。

自らの責任と住民の協力で地方自治を前進さそうというのは、言うは易く行うは難し。環境債を見ていると、そんなことを感じる。

ならば地域の金融機関や地元企業と自治体が組んで、新たなお金の回し方を考えるしかない。お得感と公益性を感じられる仕組み。

投資機会を探している住民はいるだろう。ふるさと納税もお得感があらばこそ。グリーンボンドはどうなる。まだブームは起きる前だが。
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