市役所内で倒れた山田白山市長が3月10日に亡くなられた。7日に職務代理を立て、復帰は叶わなかった。ご冥福をお祈りしたい。

先週は首長の闘病を考えさせるニュースがあった。片峯飯塚市長は小細胞がん闘病中。2月にステージ4で入院、6月まで抗がん剤治療を続ける。

当選直後に入院した小園御代田町長は1ヶ月ぶりに公務復帰。「当選の資格ない」と言って倒れた記憶がないとのことだ。心労か。

かなり長期にわたる首長の不在。予算を審議する議会も欠席。治療がんばって、と思いつつ、それで役所は大丈夫かと思わざるを得ない。

かつて石橋湛山は病気治療を理由に、スパっと首相を退任した。その任期はわずか3ヶ月。国政を遅滞させてはならぬとの思いがあった。

医療がさらに進んだ今、首相や首長は罹患したらすぐ辞めよとは思わない。だが、高齢化もあって、任期中に倒れる首長はもっと増えるだろう。

その際、選挙で選ばれていないナンバー2がいつまで代行を務められるのか。半年以上の不在は問題ないのか。もう少し考えておくべきではないか。

明日香村長のツイートを見ると、昨年は3回の入院と1週間の隔離をされたとのこと。周囲が支えたにせよ、ご自身は公務に打ち込めたのだろうか。

首長の命はどうしても次のトップ選びを想起させ、思惑が絡む。退任か復帰待ちか。待つ方のために一定のルールがあるといいのかもしれない。

しかし、御本人の体調と意思次第だから、倒れたから即ルール適用、というのもおかしな話だ。政治家の出処進退は自ら決めてもらうほかない。

いや、待てよ、小渕元首相や白山市長の場合、出処進退の判断を下せる体調にあったかどうか。回復しないまま闘病が続けば、行政は遅滞する。

意識がはっきりしているなら、病室執務でもいけるが、意思を示せないケースは何らかのルールを作っておいたほうが良いのではないか。

つらつら考えたが、明確な基準は作りにくそうだ。結局は多選同様、本人が地域全体への影響を考えて、身綺麗かつ潔い判断をするしかない、か。
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