自治体のツボ

地方分権ってどうでもいいことなんでしょうか

地方自治・地方行財政・地方創生…地方のあれこれを取り上げます

地方自治

目に余る都知事選得票結果

今回の都知事選の結果、見れば見るほど醜悪ではないか。開票終了の得票数を眺めてみる。

いくら現職が強いとはいえ、過去2番目の得票で圧勝。都民はおしなべて都政を評価し、異論がないということになる。

上位に食い込んだ4人、まるで勝負になっていない。4人足しても210万票。小池さんの足元にも及ばない。こんなのは対抗馬と呼ばない。

最多の出馬というが、5万票以下が17人。売名にもならず。何の影響力もない。泡沫も泡沫。都民もソッポを向くほどの主張しかできていない。

真面目に投票所に行った人、行かなかった人。投票率は55%。前回より落ちた。ネットはかなり高い関心を寄せていたのに。うーん、なんなんだろ。

世界は分断の最中にある。政治は国民の難しい要求に直面し、露骨な現世利益を期待されている。

翻って日本。一極に人気が集まる。この同質さ。分断されていないのを良しとするのか。

政治が多様な利益をすくいとれていないのか、多様なニーズがないのか。健全な野党がない。

現職NOがすべてではないし、与党勢力だけが悪いわけでもない。

しかし、この世界とかけ離れた同質さは何なのか。
世界と日本を比べた政治論が必要な気がする。

都知事選、現職圧勝に透ける思考停止

しかし、早いなあ、あっという間に当選確実。東京都知事に小池百合子氏が再選された。これは何なんだろう。ネットの事前予想ではだいぶ反対票が出そうということではなかったのか。圧勝らしい。

投票率が低い。現職への反対があれば、投票率は高くなるはずだから、異論は少ないということになる。結果を見る限り、都民は都政の継続を望んだということになろう。

反小池勢力もこれだけ完膚なきまでに叩きのめされれば、考えを改めるべきではないか。NHKの報道をみていると、2位から5位までが束になっても小池氏に勝てない。誰も支持していないのだ。

これは候補者調整や戦術の問題というレベルではなく、全く主張が浸透していないということだ。都政、都知事には不満がないという意味だ。翼賛体制的といってもいいのかもしれない。

あんまり健全な結果には見えない。今回の都知事選は小池氏うんぬんより、政策論争が見えなかった。辛うじて山本太郎氏の主張がネットで目についたぐらい。小池氏も前面に出ず、論戦はゼロ。

小池都政の評価、五輪の進め方、コロナ対策の拡充、子育て環境の整備、高齢化への対応、首都の成長戦略。論点は多かったはずだが、どれも素通りされ、現職に白紙委任したような感じだ。

東京の行方は日本の先行きを左右すると思うが、あまり深く考えられていないという感じがする。マスコミ報道もコロナで自粛したかのよう。その忖度、あとで問題にならないか。
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ふるさと納税判決、地方税制再考のとき

前回、でも、と書いた、その続き。総務省と泉佐野市の間の争いは解消されたのかもしれないが、最高裁の補足意見でも触れられていた、立法段階での甘さが残した禍根。そこはどうするべきか。

自治体間の税配分が不公平になった点。大都市部から地方への財政移転は悪くないが、果たしてふるさと納税は行政サービスの対価なのかどうか。単にお金を移すだけなら、大都市自治体は行政需要に応えられなくなってしまう。

存在が急に大きくなったからやむを得ないが、本来ふるさと納税で税配分の都市への偏りを是正するのはおかしい。仕送りといえばカッコイイが、納税者の負担を軽くして、しかも地方を富ませるなんて、うまく行くはずがない。どこかに歪みが出る。

そもそも人口減で縮む日本で、均等にお金を使うという発想が時代遅れ。縮んだ地域は何かを捨てたり、たたんだりすべきだ。地方はサービスの返上があってしかるべきではないか。そこまで劇的でなくとも、大都市自治体と同じお金の使い方でよいか、考え直す時期に来ている。

高度成長期の名残で、都市と地方のアンバランスをただす議論は見直しがいるように思う。高齢化の需要があるというのならいいが、インフラ更新と言われても、、、

ふるさと納税は割り切って、国公認の自治体通販にする。都市と地方の税配分は別途見直す。そうしたほうが税制の歪みもなくなり、すっきりする。見た目の器がキレイでも、肝心の料理があんまり美味しくない。いまのふるさと納税はそんな感じがする。
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見事に国と地方を仲裁した最高裁判決

亡くなった桂枝雀が演じた「胴乱の幸助」を録画して、長く見ていた時期があった。喧嘩の仲裁をするのが大好きなおっさんで、仲直りを見届けたら、喧嘩していた当人たちに一杯呑ませるという。まちのうるさ型の一席。

今回のふるさと納税を巡る争いで、この爆笑枝雀落語を思い出した。最高裁が幸助の役を買って出て、なんだか、うまくまとめたのではないか、という気がしてきた。「まてーい、まてーい」

高市総務相は3日、優遇措置から除外していた3市町を復帰させると明言。最高裁判決を「重く受け止める」とした。まあ、最初からこんな強権を発動しなかったらよかったのに、と思わなくもない。ブレーキはかけるべきだったと思うが。

一方、千代松泉佐野市長も神妙な様子。「法令を順守したうえでの返礼品をラインナップする」と語ったそうだ。地元企業とも組み、地場産品をアピールするという。これなら、趣旨にかなうのではないか。独自色の発揮の仕方をただしてほしい。 

1年にもわたる遠回りだったが、最高裁判決は国にお灸をすえ、自治体も諌めた。名裁きということになるのだろうか。これで、泉佐野の納税額が伸びていけば、まさに雨降って地固まる、といえそうだ。

落語の幸助はだいぶそそっかしい。単におごらされただけだったり、義太夫節を諍いと勘違いしたり。犬の喧嘩まで仲裁するとか。司法の判決にもトンデモ事例はあるそうだが、ふるさと納税に関してはひとまずよかったということか。でも。。。

ふるさと納税、政府批判で終わらせるな

ふるさと納税を巡る総務省と泉佐野市の争い。最高裁は国敗訴という結論を出した。意に沿わない自治体を強引に従わせようとした国の強権ぶりにダメ出しした格好だ。

これは泉佐野市がエスカレートしていたとしても、新たに作った基準を盾に、過去の問題行為をあげつらうのは行き過ぎであると指摘したものだ。処罰ありきの国の姿勢を問題視したことになる。

私は国の手法はややズルいと思いつつ、逸脱した自治体への歯止めは必要だと考えていた。いったんアウトにしても、再開できる調整も必要と思った。最高裁で法定主義に即して白黒ついたのはよかった。

ただ泉佐野市が勝訴と喜んでいる姿には違和感を覚えた。最高裁も目に余る部分ありと指摘している。ここは謙虚に受け入れるべきだ。自治というのは何でも有りではない。抑制あってこその自由だ。

何となくもやったとしたが、さすが最高裁。7月1日、判決をよく読むと、ふたりの裁判官の補足意見があった。宮崎裕子裁判官は制度設計での目配りの悪さを指摘し、林景一裁判官は泉佐野を諌めた。

弁護士出身の宮崎氏は税の趣旨と寄付行為の特徴との整理ができていないと指摘する。寄付金なら返礼品も構わないが、税となると対価はおかしい。自治体間の税配分の公平も損なったと喝破する。

林氏は外務省OBの元官房副長官補。判決に居心地の悪さを覚えたとし、泉佐野の姿勢は眉をひそめたとする。だとしても、この間の総務省の運びに疑問を呈さざるを得ず、と示唆している。

この2意見は私個人の違和感を解消してくれた。ぜひ多くの人に読んでもらいたい。国敗訴で「だから安倍政権は」とか簡単に言うべきではない。国会の審議する力、自治体の分権に取り組む姿勢、政府の横暴。最高裁は多くの問題をあぶりだしてくれた。
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自治体こそフィンテック引っ張れ

自治体と銀行の関係について、もう1回。

かつて銀行≒メガバンクはたっぷり預金を集め、融資に回して稼いできた。ところが、金利は低くなる、貸し出す相手もいなくなる、でビジネスモデルの転換を余儀なくされている。

ところが、明らかにフィンテックが活路になるのに、運用で稼げる海外に行ったり、店舗閉鎖のリストラを急いだり、手っ取り早くやれることばかりやる。成長戦略というか、時代にあわせた脱皮ができないのだ。

それは守られた業種だからだ。基本的に競争原理が働かない。統合再編をやって、苦労しているように見せかけている。破綻倒産への危機意識は実は乏しい。官に近い。

日本でフィンテックが浸透しきらないのは、銀行を守る壁が歩みを遅くしているからだ。金融庁と公取委はそこに気づき、銀行を刺激しているが、いかんせん遅い。

一部の地銀と信金はむしろかつてのビジネスモデルを守ればいい。地盤から逃げ出せない足かせが本気で地域と向き合う原動力になるはずだ。災害が起きると、各機関の日頃の真剣さが浮き彫りになる。危機に力が出る金融を目指すべきだ。

自治体も、公金を預かるのはイヤとか、手数料上げますから、という銀行との付き合いは見直したほうがよい。メガバンクやトップ地銀より、働く地銀・信金、賢いフィンテック企業と連携すべきだ。

議会でもよく議論してほしい。便利になるなら負担もしよう。そういう意識を住民に植え付けていくのは、議会の役割だ。マイナス金利が常態化するなか、自治体と銀行の関係も見直す時である。

自治体こそ銀行を選別せよ

三菱UFJ銀行が自治体から請け負う税金などの収納代行業務の手数料を引き上げるという。日経新聞でみた。

今は1件あたり無料か数円。それが来春から数百円になる。銀行からすれば、こんな手間かかる仕事、サービスではやってらんね、ということだろう。

そこは理解できるが、いきなり上げますよというのか。ネット活用などでの収納効率化とか、いまの仕組みを改善する提案はしたのか。

自治体こそ銀行を選別すべきだ。ちゃんと公金が集まって、住民の利便性の高い仕組みをつくってくれるところと組むべき。

それなら手数料が上がり、住民負担が増えるのもやむを得ない。恐らくいまの銀行にそんな目端の効く提案はできまい。

コロナではデジタル行政のポンコツぶりがあらわになった。収納も旧態依然。コンビニ収納も紙がいるとか、つまらんハードルばかりある。

個人がネットで操作すれば、銀行口座から納税や水道料金の支払いを済ませられる仕組みがあれば楽。スマホ決済は当たり前にならないものか。

口座情報を明け渡さない銀行、デジタルに疎い行政。金融庁と公取委はこじ開けようとしているが、そこに問題の根っこがある。

自治体と銀行の関係には不作為の罪がある。ともに自分のことしか考えていない。どうすれば、住民に便利になるか、手間を省けるかに知恵を使わない。

銀行システムを開放し、フィンテック企業が使えるようにすれば、公金収納の改革をやろうという会社は出てくる。

「手数料あげます、そりゃそうだ」で終わらせてはいけない問題である。
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お笑い都知事選、選挙公報の無駄遣い

東京都知事選の公報を読んだ。結構、都議選や区議選など、顔がわからない候補者の来歴や政策を簡単につかめるので公報は便利。しかし。

あきれた。都知事選のはひどい。それなりに上位に食い込みそうな人はちゃんとしてるが、○○○モン新党なんて、3人おんなじ。比例選なの?

医師会長選と間違えている人、ワンテーマに浸り都政全般を担う意欲はないように見える人。これで何を訴えるんだろう、都民に。

小さな政府や革新都政といった信条や軸も見えない。果たしてこれは政治闘争なのか。民の生活を成り立たせる工夫をするのが政治、ではないようだ。

今回は供託金をぐっと引き上げよとの声も出ている。自分アピールの候補者を引きずりおろせと。しかし、それはやってほしくない。選択肢が狭まる。

がっかりした人は選ばなければよいのだが、なんだか捨て置けない気持ちになってきた。友人に嘆いたら「前からそうだよ」と。ううむ。

印刷代、無駄なんじゃないか。さて、政見放送は一体どうなってるか。かつてのように笑って見流すとはできそうにない。見守りたいと思う。
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地方議員ほどステキな商売はない?

なかなかなり手のいない地方議員。いやいや、よく考えたら、こんなにおいしい商売ないですよ。議員になりたがっている人を勧誘してみましょう。

ーー選挙を戦うのはお金もかかるし、落ちたらかっこ悪いな。
いやいや、いまや定数に候補者数が届かない地域はいくつもありますよ。つまり競争率は1倍割れもあるということ。就職先を見つけるよりかんたんかもしれません。就活生はみんな目の色を変えてますが、こちらのライバルはそうでもない。あなたが、ライバルにはない若さとやる気をアピールすれば、有権者には受けますよ。SNSで他人や地域の悪口を書き込んでみましょう。メディアの取材が殺到します。

ーーえー、でも、仕事たいへんそう。
もちろん真面目にやったら何やっても大変ですよ。でも、議員の場合、当選したら「先生、センセイ!」と平伏されて、大概の仕事は首長や職員が片付けてくれます。条例の提案? そんなの職員に任せておけばいいんです。あらゆる仕事と同じく抜け道はありますよ。豪華な議場で悠々と居眠りしてればいいんです。身につけるべきは元気な挨拶。名前を呼ばれたら、大きな声で返事して、マイクの前に立ちましょう。「みなさん、がんばりましょう!」。この一言で場内は大盛り上がりです。

ーーそんなの誰も尊敬してくれませんよ。
確かに。いま、多くの先輩議員が不祥事を起こしてますね。カネにまつわる問題だけではないですよね。時間がありすぎるのかなあ。真面目な議員さんが割を食ってしまうほど、地方議員には厳しい目が注がれてます。それでも、ステータスの低い稼業ではありません。小学校の運動会でも早い方で挨拶できます。がんばって10回連続当選、やりとげましょう。銅像立ててくれますよ、きっと。

ーーもうからないでしょ。
報酬はさほど多くありませんが、兼業すればいいんですよ。毎日議会開いているわけじゃないし。どうしても足りなくなったら、出張伝票、偽造しましょう。先輩が丁寧に教えてくれます。それからね、お手当があります。国政選挙があるたびに、地元の国会議員がお小遣いをくれます。よしなに頼む、と。ときに「あんたんとこ、票が出てないよ」とパワハラまがいの指導もあるかもしれません。そんなときは「もうちょい山吹があれば」とおねだりしましょう。一蓮托生ですな。

ーーどうもやりがいを感じないです。
何を青臭いことを。みんな、このご時世、好きでもない仕事、頑張ってやってるじゃないですか。まぁもし議員になって、時間があったら、選挙区をこまめに歩くといいですよ。健康になりますから。それにいろんな人たちと話してごらんなさいな。そこで課題やら文句やらたくさん聞かされますよ。後でどれか1つでも、自治体と相談し、議会に諮って解決したとしましょうよ。その時の爽快感とやりがいはなかなか、あなた、他の仕事では味わえないでしょうなあ。ものすごく尊敬されるでしょうしね。

間違って、次の選挙出てみようかな、と思った人、いませんか?
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いよいよなくなるのか大阪市

大阪都構想の実現へさらに一歩進んだという状況だろうか。大阪市で協定書案が賛成多数で可決した。これで事実上11月1日の住民投票が固まった。

再挑戦を目指し公明党の支持も取り付けた。様々な配慮もなされたようだから、そろそろ成立なんだろう。万博の2027年には新体制が始動しそうだ。

だが。メディアをみていると、まだ態度を決められない有権者が少なからずいるようだ。都構想の意義はまだ浸透しきっていない感じがある。

投票となれば、五分五分なんじゃないか。この期に及んで、まだ理解が進んでいないとすれば、この間、維新は何をやっていたのか。

大阪の住民のため、わかりやすく効率的な行政を進めるのが狙いのはず。二重行政解消、府と市の縄張り争い打破。やってみる価値ある挑戦と思うが。

道府県と政令市は張り合うばかりで、対立すらある。大阪都のように役割を明確にし、上下関係をはっきりさせるのはいいことだ。

大阪が東京のようになります、といえば済むのではないのかなあ。住民に浸透しきっていないんだとすると。。。またひっくり返される。
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