自治体のツボ

地方分権ってどうでもいいことなんでしょうか

地方自治・地方行財政・地方創生…地方のあれこれを取り上げます

地方自治

明暗分けた北関東の2市長選

11日投開票された北関東の2つの市長選に注目してみた。多選の現職が出るとあって、密かに見守っていたが、明暗を分けた。

ひとつは佐野市長選。82歳の現職最高齢市長に元県議ら3人が挑んだ。下野新聞電子号外によると、候補全員が自民党系とある。

結果は現職5選ならず。健康で元気いっぱいアピールも浸透しなかった。ダブルスコアなので新人圧勝といえる。投票率は55%ながら、新市発足後最低に。

もう一つは群馬県太田市。有名な清水市長はらくらく完勝。通算で8回目の当選で、全国最多選市長となった。

投票率は29%。前回から12ポイントも落ちた。現職が新人ふたりを退けたわけだが、盛り上がりを欠いた選挙戦だったといえる。

両市長選、注目すべきは投票率だろう。過去最低という点で共通する。コロナで外出を避けたか、選挙そのものへの関心が薄れたか。

太田市も佐野市もトップは誰でもいいんじゃないという空気があるのだとすると、由々しい。この結果で市政に緊張感は出るだろうか。

誰が勝っても、ある程度の投票率がないと、ちょっと心配。当選した2市長は気を引き締めてカジをとってほしい。
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市民の質問う池田市百条委報告

なんとも読み応えのあるリポートである。池田市百条委員会がまとめた市長の不適切な庁舎使用などに関する調査報告書。43ページ一気読みの面白さ。

告発相当の辞職勧告という当たり前の結論なのだが、市長のあきれた行状を克明に記す。報道に至るまで誰も止められなかったという惨状にあきれる。

まぁ、とにかくデタラメ。勝手に私物たる生活用品を持ち込み、土日も庁舎に宿泊。東大阪の妻の実家へ総額16万円を使ってタクシー通い。

運動したあとのタオルを職員に洗わせ、部長や課長を飛ばせとパワハラ発言を連発。休憩中は呼び出すなといい、公務は度々停滞したとか。

最もまずいのはコロナで死者まで出たのに夏休みを続行したことか。しかも、嘘ついた。予定した淡路島でなく種子島へ行っていたという。ギャグか。

私物化オンパレードのエピソードを実に丹念に調べ上げており、百条調査権の威力を見せつけられる思い。市長、反論の余地はあるのだろうか。

しかし。10万池田市民、恥ずかしいね。こんな市長、選んじゃって。良識あるオトナのやることなんだろうか。家族はこれをよしとするのか。

市職員ももっと早く、一丸となって反発しないといけない。公金を扱う責任感なしと思われても仕方がない。メディアに告発というのは情けない。

とにかくマジメに市長選びましょうよ。空気に流されないで、人物本位。政治家の質は有権者の質とイコール。そこを弁えたい。
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福岡県に初の生え抜き知事誕生

福岡県知事選は元副知事の当選が決まった。結局は共産党候補との一騎打ち。与党が一本化できれば、まあ楽勝という感じなんだろう。

びっくりしたのは、服部氏は現憲法下で初の生え抜き知事になるそう。8人目にして初めて。えっー、そうなんだ。

内務省の天下りや学者が務めてきた。複雑な県内事情を反映しているのか。他の県も生え抜きは少ないんだろうか。

調べてみると、いまもひどく少ない。県庁職員からの知事は、秋田、栃木、長崎。たぶん。間違っていたら修正しますが、これはかなり少ない。

やはり知事は国とのパイプが求められるのだろうか。やや中央集権的。落下傘はまとまりやすいというところもあるのかも。

いまは圧倒的に霞が関の官僚が多い。霞が関には行き場がなくなっているから、知事なんて中央官僚には魅力的なポストだろう。

しかし、職員はどうか。副知事が最終到達点というのは、モチベーションの点から見てどうなのか。県庁職員はあまりそういう出世志向はないか。

地元のことがよくわかった先輩が仕切るとなると、やりやすくなるか。地元に通じすぎていてかえってやりにくいか。
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韓国市長選に見た中央集権

韓国与党がソウルと釜山の両市長選で大敗を喫した。文政権の敗北であり、レームダック化が加速するとの見方が強まっている。

市長選の結果が国政を左右する。日本でもよくあることだが、いつもそれは違うんじゃないかと思う。国政と地方行政は別だろうと思うからだ。

政治家=首長だから、党派性が前面に出るのはやむを得ない。でも、地方での勝ち負けは政権の審判たりうるのか。

韓国も地方分権は重要な政治課題だが、今なお中央集権的。国と地方のリンクは強いそうだ。国民は地方選挙で国政の是非に民意を示している面がある。

そういうお国柄なら仕方がない。政策の公約はあろうが、本来はどういう行政運営をやるか、政策で有権者は判断してほしいところだ。

韓国の現地方行政は1995年に始動したそう。制度上の国と地方、地方と地方の役割分担は明確なようだが、中央の動きのほうが選挙に強い影響を与える。

日本で与党系候補が首長選で敗れると、官房長官は「地方選は地方の有権者の選択。直ちに国政に影響せず」などとコメントする。それは正しい。

微妙に政権運営に影は落とすが。国と地方の間に一線がある分、韓国に比べれば、少しは分権意識が浸透していると言えるだろうか。

最近は党本部と地元組織が異なる支援体制になることもある。それは統制が利かないと見るべきではなく、地方固有の判断と評するべきかもしれない。

菅政権を支持しないから自民系市長は推さない、共産党支援者だから常に反与党派を支持。というのは違うのかな。

韓国2大市長選を見ていて、そんなことを考えた。
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いま話題の愛媛県と総務省

おいおい、総務省の幹部候補生よ、地方で何やっとる。続々発覚する地方での大規模会食。愛媛県と氷見市は総務省出向職員の送別会だったとか。

知事と市長が矢面に立たされているが、もう少し慎重にできなかったのか。地方に受け入れられたからこその送別会だったのかもしれないが。

愛媛県は30人で課長の送別会。いいなあ、道後温泉。そこから調べたら20人以上参加の宴会が16件あったそう。自粛する気ないんだね。

愛媛県は今、パワーワード。今治はスエズ運河をふさいだあの船の所有会社があり、橋田壽賀子さんも納骨される。

火災のルネサスは西条の工場で半導体を代替生産する。これは知らなかったが、バスケチームでパワハラ発覚。話題満載だ。

地方では宴会需要がなくなると経済には痛手だろう。にしても、総務省は徹底的に政権の足を引っ張るな。
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チーム森田は最高だったの?

千葉県の森田知事が3期12年の任期を全うして退任した。各種ニュースをみたが、退任会見の晴れ晴れとした表情。ハッピーリタイヤの典型。

待てよ。どんな実績があったかな。アクアライン料金引き下げ。。。五輪の会場誘致。。。あんまり思いつかない。コロナも存在感はあまり、、、

台風対応のミスは「私にも県にもスキがあった」とおっしゃっていた。スキなのか。危機管理が緩い知事というのは、そもそも成り立たない気がするが。

国民感情とのズレが大きいように思う。県民が支持しているなら、横から口出すことじゃないんだけど、タレント知事の課題が濃い。

目立ってなんぼの世界の人だから、観光振興なんかではものすごい力を発揮するが、キメの細かい行政となると、そうはいかない。

「チーム森田、最高のとき」とか「千葉を愛してる」とか。担ぐ神輿には最適だが、結果を出す政治家・行政トップとしては疑問符。

タレント知事でもノック府知事は財政再建なんかもやった。石原都知事とか橋下府知事とか、いい悪いはあっても、知名度と行政手腕は両立する。

森田知事。そこまでの人だったか。あの知名度があれば、もっと何か残せたように思う。県が明るくなったのなら、とやかく言わないが。
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阿波おどりで新人育てる徳島市

最近、世の中の新人と言われる男の子たちを見ると、どうにも子どもにみえて仕方ない。自分の子どもと比べて、というのでなく、ほんとに文字通りの子ども。ヤクルトの奥川投手なんて、2年目でも子ども。ああいう、可愛らしい子ども。女の子はそうでもないから、自分の年のせいでもないと思う。そういう子が増えたということなんだろう。

長々感想を書いたが、そんな有望新人を自治体はどう育てているか。あんまり研修内容は報道されていないが、唯一発見、徳島市。阿波おどりの研修をしたという。これは重要。現に地元出身の新人でもまともに学んだことがなかったという。地域にどっぷりつかってほしいものだ。市職員たるもの、地元のまつりぐらいで踊れなくてどうする。

もっとないかな、と思ってみていたら、今年は即戦力の採用が目についた。広島県はデジタル県庁の実現に43歳のシステムエンジニアを採用したそう。行政手続きのオンライン化に取り組むとのこと。飛んで北海道。大空町役場ではJALの社員3人が派遣職員として働き始めた。女満別空港があるところね、なるほど。行政経験を空の業務に活かせるように。

コロナ禍で新人を育成するのは難しくなっている。国税庁と最高裁は埼玉県で集団研修をしようと思ったら、県や和光市に反対され、寮から自宅に返し、オンラインで研修することになったそうだ。反対意見もわかるし、それで済むならよいが、集める狙いは別にあったろう。同期の絆を育むのはかなり研修の大きな意義のように思われる。

一晩めし食えば、それなりに打ち解けるものそれもできず、オンライン会議が多くなったとあっては、上司も途方に暮れるし、本人も組織に馴染めずつまらない。自治体にいい知恵はないですか? 阿波おどりなんていいなあとおもう。地域の祭りや食、産業などにじっくり浸って、自治体の発展に思いを馳せてほしいものだ。
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ユニーク部署をたくさん作ろう

大月市が「大月桃太郎課」を作ったという。そういえば、福島県もTOKIO課を設置。ユニーク部署、また流行っているんだろうか。

有名なのは松戸市の「すぐやる課」。もう設置から50年たつ。市民に浸透し、実際に市民の期待に応え続けているというのがすごい。

さて、桃太郎は岡山じゃないか?と思うところもあるが、大月は名前をアピールできたら儲けもの。小遊三課のほうが良かったのでは?

福島は城島くんが課長になるわけではないようだが、直接的な成果も探るそう。福島のためになる事業、期待したい。

せっかくなら瞬間的な話題になるだけでなく、息長く成果を出してほしい。武雄市の「お結び課」は官製結婚相談所としてもう10年も機能している。

長久手市には「たつせある課」。立つ瀬ないの反対で、住民の居場所を作るのが目的。市民の活躍後押しに力を入れているそうだ。

自分だったら何課をつくるか。政策の実験に挑む「のるかそる課」。シニア雇用を進める「百戦錬磨課」、災害対策を練る「備えあれば憂いなし課」。

言葉遊びで終わってはいけませんね。IMG20210402131447

辞令交付式、トップは何を語ったか

はや新年度入り。コロナの影響なお色濃い。皆さんの生活に変化はありますか。さて、恒例の入庁式。2年ぶりやオンライン、代表者抽出など自治体それぞれ。ネットの報道で首長の訓示をおさらいした。

▼東京都は2年ぶりの式典開催。新入職員はなんと1700人で、うち4人が参加。小池知事「未曾有の難局をチーム一丸となって乗り越えねば。東京五輪を必ず成功へ導きたい」。(日経)

▼茨城県も代表者ふたりに辞令を交付。大井川知事は「生活や仕事のあり方が変わる中で仕事を始めるのは得難いチャンスと受け止め、失敗を恐れず挑戦してほしい」とビデオメッセージ。(日経)

▼35歳の滝沢三条市長は「市役所の仕事はまだまだ伸びしろがある。みなさんの感性を表に出して、いまやっていることが正解だと思わずに、みなさんの考えを反映して」。(ケンオー・ドットコム)

▼三重県は入庁式を2回に分けて実施。感染対策を徹底。鈴木知事は「ようこそ、三重県庁へお越しいただきました」。ほお。ずいぶん目線の低い呼びかけだな。(東海テレビ)

▼田辺市の真砂市長は44人の新規採用者をこう激励。「住民としんどいこともうれしいことも共有できる地方公務員の醍醐味を味わいながら活躍を」。(紀伊民報)

▼鹿児島県も2年ぶりの開催。塩田知事「職場のやり方でおかしいと感じたら、こう変えたらいいと遠慮せずアイデアを出して。議論できる風土を作りたい」。(南日本新聞)

1日はパソコンの端末越しに首長の新年度訓示を聞いた人も結構多かったろう。福岡市はYou Tubeで辞令交付式の様子を流している。こういう動画をみて初心に帰るのもいいかも。
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点検春条例⑦富里はすいかの名産地

対立色の強い今年の地方議会。ここでほのぼのとした条例をひとつ。富里市が作ったすいか条例。生産者を守り特産品をアピールする狙いだ。

ホームページには成長のプロセスを紹介する「富里すいか日記」がある。これが面白い。すいかってこうやって育てるんだ。学んだ。

高齢化で生産者も減少。手間のいる作業だから、後継者育成は大変だ。かつて皇室にも献上していたそうだから、条例を機に盛り上がって。

すいかの名産地という童謡があったが、国内生産は熊本県と千葉県が激しく競り合っている。すいかもまた輸出が少ない。頑張ってほしい。

さて、こういう地元の特産品にまつわる条例、ほかにあるかな。日本酒や焼酎、ワインは乾杯条例がある。

青森県板柳町はりんごまるかじり条例。まるかじりの普及に努めるのが町民の責務だ。カゴメ発祥の東海市はトマトで健康づくり条例を持つ。

ネットで調べた感じだと、きゅうり条例やかぼちゃ条例、なす条例はなさそう。どこかの農業県で作ってみてはどうですか。
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ギャラリー
  • 明暗分けた北関東の2市長選
  • 市民の質問う池田市百条委報告
  • 福岡県に初の生え抜き知事誕生
  • 韓国市長選に見た中央集権
  • いま話題の愛媛県と総務省
  • 処理水放出、このタイミングがイヤ
  • 東海と北関東が争う工場立地
  • チーム森田は最高だったの?
  • 阿波おどりで新人育てる徳島市