うーむ。イマイチではないか。森林環境税が始まったのを受け、昨日に続いて独自調査を敢行。各自治体でどんな使い道が予定されているのか、あるいはこれまでの譲与税制度の中でどうお金が使われてきたのか手繰ってみた。

なんだかどこも代わり映えがせず、国が示した使い道例に従ってお金を投じてみた、というケースが多い。森林の所有状況を調べたり、木材利用を啓発したり。都内の自治体には使い道がないんで、ほぼ基金に積み立てというところも。国に返したら。

要はオリジナリティーがない。横並びでとりあえずやってみっか、という感じ。ありがたく使って、森林環境を改善しようという気概が伝わってこない。自治体職員が面白がって、あるいは使命感を持って取り組んでいる姿が見えない。こりゃだめだ。

それでもネットで検索していくと、ようやくあの静岡県の市町村の取組事例集2023に行き当たった。15億円の譲与を何に使ったかまとめている。苦心の跡がうかがえる編集で、各市町村ごとで異なる取り組みを紹介している。

土砂の流出防止柵、危険な木の伐採、林道整備、専門職員の雇用、公共施設の木質化などなど。それでもやっぱりあんまり違いはないけれど、地域の努力は伝わる。子どもたちを巻き込んだ事業は好ましい感じがする。

ほかのところの取り組みも罵倒するほどではないのだけど、もうちょっと頑張ってくれないかな。温暖化の抑制につなげるとか木を何本増やすとか、花粉症は止めるとか、何らかの国全体の大きな目標も必要なんじゃないか。

公平な制度でなく、木材生産県や山あいの自治体に思い切って重点配分してもよかった。変に自治体任せにすると、優劣にけっこうな差がつくし、横並び感も強まる。オリジナリティーの発露に期待するのだが、今のところは期待外れである。